川口SKIPシティの映像ミュージアムで開催中の『あそぶ!ゲーム展STAGE1』に行ってきました。STAGE1では初期のビデオゲーム25点を展示。ほとんどすべてを実際にプレイすることが出来ます。しかも100円玉は不要。ミュージアム入場料510円だけで遊び放題。一番新しいものでも1982年頃のもの。当時の僕は小学生以下なので、どれも業務用筐体の本物に触るのは今回が初めてです。
存在すら知らなかったゲームもありまし、当時パソコン雑誌に投稿されたアマチュアの手による非公式移植で遊んだことがあるゲームもあります。当時のアマグラマの皆さんがなかなか頑張って似せたんだなと今更判りました(笑)。
入口。企画展示コーナーは思ったより狭いようです…
世界で初めて作られたビデオゲーム『テニス・フォーツー』。表示にはオシロスコープを利用し、コントローラーはアルミシャーシに普通のボリューム+ツマミと押しボタンスイッチをつけただけの簡素なもの。写真では判りにくいですがテニスコートを横から見たような表示になっています。地面、ネット、ボールだけの簡素な画面ですが、ちゃんと遊べます。
開発者はマンハッタン計画のチームメンバーだったウィリアム・ヒギンボーサムらで、原子力研究施設への見学者向けに開発したのだそうです。
初めてブラウン管モニタを使用したゲーム『スペースウォー』。
これもコントローラは秋葉原で売っているような一般的なスイッチ類だけで作られています。
初の商業用アーケードゲーム『コンピュータスペース』。鮮やかな色、曲線的なデザイン。いまのゲームセンターに設置しても目を引きそうです。
が、やたらと難しい…。操作はボタン4つ『右旋回』『左旋回』『スラスター』『発射』で、慣れないと自機がどちらに動くのか判りません。難しすぎたのか人気はイマイチだったそうです。
『コンピュータスペース』の画面はこんな感じ。筐体のポップな感じとは違い、白いドットだけで構成された簡素なものです。非常に判りにくいですが画面中央やや右上に自機(下を向いたロケット型)、画面右の数字の『50』の上に敵のUFOがいます。弾は背景の星?と同じく1ドットで表現されているので静止画ではまったくわかりません。
商業用コンピュータゲームとして初めて大ヒットとなった『ポン』。左右のツマミを二人で操作する対戦式のテニスゲームです。
アーケード版の実機を観たことはなかったのですが、僕が小学生の頃はこれに似た家庭用ゲーム機が流行っていたな…ちょっとお金のある家の子は持っているのを自慢していました。僕の世代だと『2ch』というと『ゲームを繋ぐところ!』という発想になるかも…
『スピードレースデラックス』。
ハンドル、アクセルペダル、シフトレバーがついた、当時としては本格的な操作感のレースゲーム。自車は画面の一番下にいるのですが、走り始めてまだスピードが出ていないうちに後ろから追突される(自分より後ろにいる敵車は見えないので避けようがない)という理不尽なクラッシュが頻発(笑
当時の処理能力のわりにはスピード感がありました。
映画『ジョーズ』ポスターのイメージで、サメが上を向いて口を開けた形を模したユニークな筐体の『マンイーター』。サメを避けながら海底の宝物を引き上げるという内容ですが、今日はプレイできませんでした。土日のみプレイ可能。
プレイヤーが死神となり、車を操作して画面上のグレムリン(さすがに『人』とは言えなかったのでしょう)を轢き殺していくという酷い内容のゲーム。開発元の米国では登場してすぐ社会問題になり、日本でも設置して1ヶ月で撤去されたという幻のゲーム。実機の展示は貴重。
これも土日だけしかプレイできないそうです。
ブロック崩し型ゲームの代表作『ブレイクアウト』。いまでも子孫であるゲームが作られ続けていますが、基本システムは変わっていないですね。
そして『スペースインベーダー』登場!
日本で初めて開発された、機械式やアナログ回路ではなく、CPUを搭載したゲーム。
当時は『インベーダーハウス』(今のゲームセンターの前身)があちこちに出来たり、喫茶店のテーブルがインベーダーゲームになったり、ゲームやりたさに少年犯罪が増えたりと社会現象になっていました。
この筐体では、背景はハーフミラーによる合成でゲーム画面はモノクロです。僕が見たことのある筐体には背景はなく、画面自体にカラーフィルムが貼りつけられて色がついているように見せかけていたように記憶しています。
スペースインベーダーは独立したコーナーになっています。ゲーム機本体だけでなく、このようなデザイン画なども展示されています。
同じくスペースインベーダーのプログラムリスト。このようなリストが200数十ページ分あるのだそうです。80系CPUのアセンブラで記述されているので、僕でも読めます。部分的には16進数のままでも読み取れます…けっこう憶えているものだな…。
スペースインベーダーの基盤。右下のあたりにCPU、一番手前にはROM増設用と思われる空きICソケットが並んでいます。当時は表面実装用の部品もなく、基板も表裏2層だけのようです。
『ギャラクシアン』
ゲーム内容はスペースインベーダーとよく似ていますが、キャラクターがカラー化されて画面が一気に華やかになりました。また、ずっと隊列を崩さなかったインベーダーと違い、敵キャラが個別に急降下してくるという演出が加わったことでゲーム性が高まりました。コンピュータの処理能力が大幅に向上し、スプライトという技術が実現したことによる大きな変化です。
『スターファイヤー』
遠くの敵は小さく・近くの敵は大きく表示される一人称視点疑似3D表示。コクピット型の『入り込む』筐体も当時としては画期的なものだったでしょう。
…で、敵機がどう見てもタイファイターです。さらにスターデストロイヤーにしか見えない敵艦が画面を横切ったりもするのですが、スターウォーズのオフィシャルなゲーム化ではないんですよね??
『フットボール』
世界で初めて操作にトラックボールが採用されたゲーム機なのですが、どう動かすとどうキャラが動くのかさっぱり判りませんでした…
ディスプレイにベクタースキャン式を採用した『スペースフューリー』。
写真は、オープニングデモンストレーションに登場する、シンプルな線画ながらインパクトの強い宇宙人です。
『アステロイド』
先の『コンピュータスペース』と同じく『真面目に物理法則に従った宇宙船操作』ですが、画面はかなり進化しています。これもベクタースキャンディスプレイかな。
『平安京エイリアン』
アーケードではなくPCゲーム先行で、最初の開発者は東大のサークルTSGのメンバー。主人公は検非違使(黄色いキャラ)で、平安京の街に現れたエイリアン(赤いキャラ)を穴に落として埋めるという内容。
僕は開発者自身によるPC-8001への移植版で遊んだんだったかな…?パソコン雑誌に掲載された平安京エイリアンのプログラムリストをみたこことが、僕が機械語を真面目に勉強しようと思ったきっかけで、それが間接的に進路(大学の専攻)を決める一つの原因にはなりました。
いまでも非常に人気のある『パックマン』。PC移植版で遊んだことはありますが、これも実機では初めて。でも作戦は通用するようで1面クリアは簡単にできました。
パックマンは関連グッズが多数発売されたことも特徴だそうです
パックマンのプログラムリストの一部。キャラクターのデータ定義部分ですね。
『ザクソン』
クォータービューによる疑似3D表現が画期的です。
似たようなPCゲームで遊んだことはありますがアーケードゲームの存在は初めて知りました。
『スクランブル』
横スクロール式シューティングゲーム初期の傑作です。PCの非正規移植版でずいぶん遊びました。難易度は非常に高いです。敵の出現パターンを憶えて避ける、という攻略が必要になった最初のゲームかも。
『クレイジークライマー』
右腕・左腕を表す2本のスティックを使ってビルを上って行くというユニークな内容。
『ガンバレ!』と励まされたり、上からの落下物(敵キャラが窓から顔を出して植木鉢を投げつけてきたりする)にあたると『イテッ!』と自キャラが喋るなど、合成音声が採用されたところもユニーク。
当時はけっこうヒットしたのですが、操作法が独特なため他の見学者は昇り方がまったく判らないようでした。
『ドンキーコング』
初めてプレイしました。実はルールをよく知らなかったのですが、なんとか3面まで行きました。今更映画『ピクセル』の内容が理解できました(笑
『ニューラリーX』
敵車や障害物を避けてフラッグを回収するというもの。敵車を混乱させる煙幕はあるものの反撃の手段はないというのは珍しいかも?それと、壁にぶつかると自動的に方向転換するのに岩にぶつかるとクラッシュというのも理不尽な気が(笑
『ディグダグ』
存在は知っていましたが遊ぶのは初めてかな…?思ったより簡単にサクサク進んでしまい、かえってあまり面白く感じなかったな…。
『ムーンパトロール』
多重スクロール(背景の近景・遠景でスクロール速度が違う)によって奥行き感を出した画面が特徴的。初めてみました。
『テンペスト』
企画展示コーナーの最後にぽつんと置かれていたベクタースキャン式のディスプレイによるゲーム。かなり貴重な筐体のようです。画面は簡素ですがけっこう面白い…。
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