さんふらわあ

南九州旅行の予定の見学地をすべて見終えて、あとは『帰り道』なんですが、普通に移動するだけでは勿体ない!というわけで、子供の頃にショッカーに占拠されていたのを見て以来の(笑)憧れの船、さんふらわあを利用して大阪に向かいます。

乗船まで

今回の旅行で利用した桜島航路・垂水航路にくらべて船は大きいのに、フェリーターミナルの建物は小さいです…。
ただし駐車場は圧倒的に広いです。桜島航路・垂水航路が地元の生活の足として徒歩利用者も多かったのに対して、さんふらわあは車両での利用、それもトラックやトレーラーによる輸送利用が多いようです。

さんふらわあ全景。全景が見えるのが乗り込み口前しかなかったので合成。ちょっと歪んでますが。

さんふらわあは、僕がいままで乗った船の中で最も大きいです。全長192m、総トン数13,659トンもあります。ちなみに日本近海では全長200mないし総トン数16,000トン以上の船は『巨大船』と定義され、航路によって夜間航行が禁止されたり速度制限があったりするそうなので、大型フェリーはこの制限を受けない全長190mくらいのものが多いのだそうです。

徒歩乗船口。車両が次々に吸い込まれていくのに対して、徒歩で乗船したのはほんの数人しかいなかったような。

船内共用施設

アトリウム/プロムナード

船は8階層あります。そのうち1~5階は車両甲板(4階には徒歩乗船口も)で航行中は立ち入り禁止、客室とレストラン・浴場などの共用施設は6~8に配置されています。

写真は船体中央部にある6~8階吹き抜けのスペース、アトリウムです。

※翌朝ここに来たらそのへんのソファで寝ている人多数。大部屋で他の人の鼾がうるさくて眠れなかった、などでしょうかね。

アトリウム付近は、舷側の窓に沿って椅子やテーブルが配置されています。海を観ながら寛いだり、グループでお喋りできるスペースとして利用されています。…ただし消灯時刻(22時頃)以降は照明が落とされてしまいます。さすがに真っ暗になるわけではありませんが。

レストラン

船内のレストラン。志布志~大阪航路では17:55出発~翌07:40到着なので、船内では夕食・朝食をとることができます。予約は不要ですが、営業時間がディナー18:00~20:00、モーニング06:00~07:00と意外に短いので注意が必要です。

夕食・朝食ともに基本的にバイキングのみです。公式サイトでは夕食バイキングの価格が2,000円と案内されていますが、2022年3月現在は『お試しスモールバイキング』として1,500円で提供されています。もしかしたら、コロナ対策かなにかのために品数を絞る代わりに価格を下げた…ということかもしれません。

バイキングにはソフトドリンクバーが含まれているのですが、上の写真で判るようにアルコール類は別料金で提供されているようです。

客席のテーブルは小さめ、座席間隔狭めですが、予想よりキレイでしっかりしています。机は固定されているようで、椅子はやや重い(というか重心が低そう)です。船が多少揺れても不安定にならないように、ということでしょうか。

座席数は、都市郊外の大型ファミレスより多いように見えました。僕が座った席から見渡せる範囲だけで100席、奥にもまだ席が続いていたようなので、150~200席程度はあると思います。ただ、さんふらわあの乗客は最大700人にもなり、また前述の通り営業時間が短いので、混雑する時期だと行列になる(または食べ損なう)こともあると思います。幸い、僕がいた時間は一番人が多かった時間でも席が半分埋まった程度で、のんびり食事できました。

ディナー、モーニングともに、基本的にバイキング形式です。入口付近には、手をかざすとビニール手袋の口が自動的に開いて片手で簡単に装着できる装置がありました。

ドリンクバー。ファミレスのドリンクバーとほぼ同じ設備です。コーヒーのサーバはその場でドリップする奴かな。ソフトドリンクバーはバイキング料金に含まれています。

夕食バイキングは、バイキングレストランでは定番の和洋中ごちゃまぜ。写真に写っている他にも料理があります。この中ではサーモンが美味しかったな。全体的に味は同価格帯のバイキングレストランでは標準的なレベルで、独占状態だからボッタクリ価格、ということはありません。

プチケーキなどのデザートや、オレンジ・パイナップル・ドラゴンフルーツなどフルーツ。道明寺はいまの季節だからでしょうか。他にアイスクリームもありました。

さんふらわあ きりしま 船上レストランバイキング / 志布志駅
夜総合点★★★☆☆ 3.2

売店

レストランにも近い売店。お菓子やおつまみの他、さんふらわあオリジナルグッズなどがあります。

ハーゲンダッツや31のカップアイスが!
まぁ、価格はコンビニ並(スーパーやドラッグストアに較べると割高)です。

自販機コーナー

自販機コーナー

まずはソフトドリンクの自販機。写真のものを含めて何台かあります。価格は…うちの職場の自販機より10円ずつ高いかな?あれはうちの職場が相場より安いのか?

カップヌードルの自販機。奥にはお湯のサーバもあります。レストランや売店の閉店後に小腹が空いた人の救世主。…これだけ灯りが消えていたのですが販売中止だったのかな。

お馴染みセブンティーンアイスもありました。これがあると知っていたら乗船前におやつを買い込まなくて良かったのに(苦笑)

ゲームコーナー

ゲームコーナー。船の規模のわりにショボいです。何度か部屋の前を通りましたが利用者がいるところを見かけませんでした。

クレーンゲームもありましたがオリジナルグッズが取れるわけでもなく、その辺のゲーセンにあるものと同じ内容のようでした。

キッズルーム。写真に写っている範囲で全部なのでかなり狭いですが。

ホテルのような設備

大浴場。個室にもシャワーがありますが、やはり湯船に浸かりたいので(ビジネスホテルの風呂だと肩までつかれないしね…)こちらも利用しました。さすがに中の写真は撮ってません。
船が揺れると湯船のお湯も揺れるので、海の状態によっては閉鎖されてしまうこともあるようです。

コインランドリーもあります。

数カ所にコインロッカーが設置されています。十数人が一部屋になる大部屋や、『個室』といいながらカーテンが閉まるだけの部屋もあるので、こういうものは必要でしょう。

客室の近くにある給湯室。電子レンジや氷のサーバもあります。

デッキ

8階の吹き抜け階段付近からデッキに出ることが出来ます。

デッキに出てきました。雨が降っていてかなり寒かったため、ほとんど人がいませんでしたが…。

さんふらわあの最大速度は23ノット=時速41kmくらい。秒速に直すと11.5m。つまり全速航行中にデッキに出ると常に前方から11.5m/sの風が吹いてくることになります。これは樹木の太い枝も揺れ、傘をさすのに困難を感じ始める程のやや強い風です。デッキに出る場合は手荷物や帽子などを飛ばされないように注意を。そしてたぶん冬場だと激寒です。

実はこのデッキ上トンネル脇は、非常時(船からの脱出が想定されるレベル)に乗客が集合する場所です。両舷にシューターが設置されています。宿泊するときは必ず緊急避難経路を確認することにしているので…。

客室

さんふらわあには、専用バルコニーやバス・トイレを完備した3人用個室『スイート』から14~18人で1室の大部屋『ツーリスト』まで、様々な種類の客室があります。今回僕が利用したのは、シャワー・トイレ・冷蔵庫付きの1~2人用個室『スーペリア』です。やっぱり眠るときにはしっかり鍵のかかる部屋にしたいので…。

個室が並ぶエリア。ビジネスホテルの廊下と雰囲気は似ていますが、ずっと手すりが続いているのが特徴的ですね。やはり船は揺れるものですから(さんふらわあくらい大きな船だと立つのが困難なほど大きく揺れるのは希だと思いますが)、安全上こういうものが必要なのでしょう。

ベッドルーム

スーペリア室内です。今回の旅行中に泊まった某ホテルの部屋より広いです(笑)。エアコンの真下にある椅子は、たぶん2人で利用する場合にベッドに変形できるのだと思います。

ちょっと面白いのはコンセントの数。なんとこの1部屋に10口もありました(この写真で判別できるのは8口)。ベッドサイド(椅子になってる方も)のランプの下に2口ずつ、ディスプレイの下に2口、玄関近くの鏡の両側に1つずつ、写真ではみえませんが玄関のゴミ箱のあるあたりに2つ。ただ合計の電力容量はどこにも明記されていなかったので判りません。ドライヤーを複数同時に使ったりするとまずいかもしれません。

さすが船の上だけあって、客室に救命胴衣がありました。万が一の場合に命を預けるものですから、収納場所をちゃんと確認してマニュアルに目を通しておきます。

部屋にあるディスプレイでは普通のテレビ番組も見られるのですが、このように船が現在どこにいるかを表示し続けるチャンネルがあります。この写真は翌朝になってからのものなので、もう大阪にだいぶ近づいています。

そういえば、四国の南を航行しているときは少々揺れていた(海が荒れていた)のですが、四国と紀伊半島の間に入ると揺れがずっと小さくなりました。周囲を陸で囲まれた海域はやはり波が小さいのですね。

船外を観られるチャンネルもあります。画像が粗くいまいちなにが映っているのかよく判りませんが。船首が波を被ってるところかな?

シャワー&トイレ

シャワー&トイレ。船の上で各個室にシャワーがあるって、すごいことのような。
洗面台横、紙コップが逆さまにセットされているのが面白いです。揺れ対策か、ホルダーの内側は滑り止め加工になっていて、かなりしっかりホールドされるようになっています。逆さまにはめておくのはゴミが入らないようにかな?

シャンプー・トリートメント・ボディーソープ・カミソリ・コットンセット・ヘアブラシ・歯ブラシ・タオル…と、一般的なビジネスホテルで用意されているようなものは揃っています。手ぶらで乗船しても困りません。

というわけで感想

船で一晩過ごすのは初めてですが、寝台特急に乗ったときと同じくワクワクしっぱなしでした!食事して、入浴して、寝て…とだけ書くと、普通のビジネスホテルに泊まっているのと変わらないのですが、それらすべてを移動する船の上でできると思うとなんともいえない特別感があります。

さんふらわあは予想よりもはるかに大きく感じられて、共用スペースは広くてキレイでした。平日の乗船だったためか混雑はしておらず、大浴場やレストランの利用で待ち時間が発生することもなくゆったり過ごせました。客室も一般的なビジネスホテル並の備品があり快適でした。

レストランや売店の営業時間が短いのが難点といえば難点ですね。飲料とアイスクリームの自販機は24時間使えるのですが、

船なので多少の揺れはありますが、じっとしているときに『ああ、確かに揺れているな』と思う程度でした。大浴場にいたときにはお湯が左右に揺れているのがちょっと目立ったかな。一時は少々海が荒れたらしいのですが(到着が20分ほど遅れる程度の影響があった)、歩いていると足下がふらつくとか、揺れが気になって眠れないとかいうほどの大きな揺れにはなりませんでした。僕は乗り物にはあまり強くないのですが、酔い止め服用なしでまったく問題ありませんでした。

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