さて、ここからが【八甲田丸】独特の見学箇所です。
【煙突展望台】
甲板に出られる、というところまでは普通なのですが…。
船橋から後方に向かって甲板上を歩き、煙突のそばまで来ると…
煙突の一部が切り開かれ、そこには階段があります。
階段の周囲を囲むように上下に伸びているパイプが各機関からの排気管なのでしょう。
もともと煙突は一本の筒ではなかったんですね。
そしてこの階段を上まで昇ると煙突の頂上に出られます。
…そこは展望台になっています。
煙突は船の中で一番高い場所なので、1周360°ほぼ遮るものなしに青森港と青森市街地が見渡せます。
というわけで青森港全景。
写真右端の方にアスパムが写っています。
正面から見るとどっしりした三角形ですが、真横から見るとこんなに薄いんですね。
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展望台から下りて順路に従って進むと、次はエレベータで下の階層へ向かうようです。
エレベータ内の表示を見ると…
【 1F 車両甲板 】
…車両甲板?!
見られるの?!
お台場の【羊蹄丸】も青函連絡船ですが、車両甲板は見られません。
というか羊蹄丸は外観こそ当時のままですが中身は完全に作り替えられていて『青函連絡船を見学した』という感じにはならなんですよね。
何しろ船の中に青森港の実物大ジオラマが広がっているんですから。
子供の頃に図鑑で見て以来、鉄道車両を格納可能な船の構造というものを一度は見てみたいと思っていたんです。これは楽しみ…と、エレベータが1F に到着して扉が開くのももどかしく飛び出してみれば…
なんと!
鉄道車両まで置いてあるよ!
鉄道レールが敷かれた船倉を見られるだけでも面白そうだと思っていたのに…
郵便列車だの、
特急列車だの、
貨車だのが停まっているのを見られるなんて!
列車と壁、列車と列車の細いすき間を縫うように設置された通路を歩きながら大興奮。
限られたスペースで能率的に物を運ぶために工夫された機能美。
機械好きにはたまりませんなぁ。
これが見られたのは予想外の収穫。
こんな面白いスポットが観光ガイドにスルーされてるなんて!
駅近くの地図で『八甲田丸』に気付いた自分GJ。
この写真は車両甲板最後部(だと思う…写真を撮っているすぐ後にハッチらしき構造)から船首方向を向かって撮影しています。ディーゼル機関車も停まっているのが判ります。
ディーゼル機関車の手前には、長椅子がかなりの数用意されています。
ここで見学会などイベントをやることがあるのかもしれません。
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さて、最後は船内最下層の機関室です。
【機関室】
大型のディーゼル機関が8機(たぶん2機1組で4軸)搭載されています。
【制御室】
完全にコンピュータ化される前のコンソール。
こういうアナログ的な操作盤の方が雰囲気はありますw
機関室のすぐそばにあるのですが、防音装置と冷暖房完備で前近代船とは比べものにならないくらい快適な環境だったそうです。
一見しただけでも古い船とはまったく違う、きれいな室内です。
【発電機室】
八甲田丸で消費される大電力をつくりだすのがここ。
ここも案外すっきりしていますね?
というわけで、『大当たり』だった八甲田丸見学でした。
見学中、かすかにどこからか【津軽海峡冬景色】が聞こえていたようなきがしたのですが…
この写真を撮っている場所の近くに歌碑があり、人が近づくたびに自動的に曲を流す仕掛けになっているようでした。
今日1日で何回『上野発の夜行列車~』と聞いたことか…。
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【青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸】
http://www7.ocn.ne.jp/~hakkouda/hakoindex.html
JR青森駅より徒歩5分
開館時間:4-10月は9:00-19:00(18:00最終入場)
11-3月は9:00-17:00(16:30最終入場)
休館日:4-10月は無休
11-3月は毎週月曜
入館料:大人500円、中高生300円、小学生100円
見学所要時間:最短30分~