首里城公園の入口近くの【首里杜館(すいむいかん)】(レストハウス)を抜けてさらに首里駅と反対の方向に少し進むと、【玉陵(たまうどぅん)】。
琉球王国の歴代国王と王妃が葬られている墓所です。
入口は小さくて地味。小中学校の通用門を連想してしまいました。
首里城と違って人影もまばらですが、ここも重要文化財で世界遺産。
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まずは【奉円館】(という名前がついていますが受付・事務所の建物)の地下展示室から。
さすがに骨室の中には入れないので、中の様子を撮影した写真や蔵骨器(骨壺に相当)の写真などが展示されていました。
埋葬方法についての解説もありました。
琉球王国の埋葬方法は火葬でも土葬でもなく、
葬儀の後、白骨化するまで待つ
骨を洗い清める(洗骨)
改めて骨室に納める
という手順なのだそうです。
それでは管理棟を出て玉陵へ…。
西の御番所跡(いまはただの空き地)の前を通り過ぎて参道を進むと、玉陵を囲む石壁【石牆(せきしょう)】が見えてきます。
ここが入口。人がひとりしかくぐれない小さな門です。
よくみると真っ直ぐ奧にまた同じような門があるのが判ると思います。
玉陵は上から見ると石壁で【日】の形を描いたようになっていて、
【日】の字の上辺(北側)の中央にこの外門があるとすると、
上側の空間が外庭
上下を区切る石壁があり、その中央に中門
下側の空間が中庭、下辺が陵墓本体
という構造になっています。
外庭はこの通り、ほとんどなにもありませんが、
中門に向かって左手には
石碑がひとつ。
ここには埋葬される王族の条件が記されているそうです。
中門、ここを通ると中庭。
中庭は神社と同じように玉砂利が敷きつめられていて…
と思ったら、これはサンゴの破片だそうです。
そして、
これが陵墓の本体。
扉が三つありますが、
左手の東室には王と王妃が、
右手の西室には王と王妃以外の王族(石碑に書かれている者)が葬られていて、
中央の中室は洗骨前の遺骸を安置する部屋だそうです。
そこには、僕以外、生きている人間は誰もいません。
静かです。
すぐ近くある首里城の観光名所らしい賑やかさがウソのようです。
静かです。
耳が痛くなってくるほど静かです。
突然、ここが琉球王族にとっての神聖な場所であるということが強く感じられました。
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【玉陵(たまうどぅん)】
http://www.edu.city.naha.okinawa.jp/bunkazai/isann/tamaryou/tamaryou.htm
首里駅より徒歩15分
観覧時間:9:00-17:30入場締切
観覧料金:大人200円(ゆいレール1日乗車券の提示で100円)
『日』の形が良く判るように航空写真を貼り付けてみます。
森の中にテニスコートでもあるように見えるところが玉陵です。