【奥武山公園】駅から再びゆいレールに乗車。
次の目的地は終点【首里】駅…【首里城】およびその周辺の見学です。
【首里】駅の1つ手前、【儀保】駅を出た直後から遠くに首里城の赤い建物が見えます。
気分が盛り上がってくるなぁ-!
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【首里】駅到着。
ここから首里城までは道程で1kmちょっと。
それならバスを待つより歩いた方が早い…と(例によって)歩き始めました。
地図を片手に歩いていると、地元の人が次々に声をかけてくれます。
『首里城見に来たの?その道を真っ直ぐ行って2つめの信号を左だよ』
沖縄の人って親切…。
首里城公園の『入口』は首里駅とは反対側なんですね。
たぶん、バスやタクシーで行くとそこまで連れて行かれるのでしょう。
が、僕はそれとはちょっと違うコースを通ってしまいました。
…つまりいったん反対側の端まで回ることなく、駅からの最短コースで守礼門を目指しています。
まず最初にたどりついたのが【円覚寺】跡。
戦前に国宝に指定されていたのですが沖縄戦時にすべて破壊。現在は総門、右脇門、放生池が復元されています。
写真は総門と放生池。右脇門の近くで撮影しています。
…と、いうことは…
池のある側が寺の『外』で、この写真の右手フレーム外のほうが寺の『内』なんでしょうかね??現在はその『内』の方を道路が走っています。
ところでこの池に架かっている橋ですが、これだけは現存建築で重文指定だそうです。
【円覚寺】と、車道を挟んでほぼ向かいにあるのが【円鑑池(えんかんち)】と【弁財天堂】。
この池は500年も前に作られた人口の貯水池だそうです。
弁財天堂に渡る橋は【天女橋】。
欄干は石造り・装飾が施された立派な物ですが、、、腰掛けたりする頭の悪い観光客でもいるのでしょうか、並べられたコーンが景観を台無しにしています。
さらに歩いていくと【久慶門(きゅうけいもん)】。
主に女性用の通用門だったそうです。
現在は見学順路の出口になっており、ここからは入れません。
そしてやっとたどり着きました、有名な【守礼門】。
想像していたより小さくて華奢な印象。
ぱっと見、何か違和感があるなと思ったら…
名前の由来である【守礼之邦】の額がない!
…裏側から見ていました(笑)
先に書いたとおり、僕は通常の見学(登城)コースとは反対側から来てしまったのでした。
表側に回って改めて記念撮影(笑)
守礼門の近く、忘れずにチェックをしておいた方が良いのがこれ。
【園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)】。
小ぶりな建造物なのですが国指定重要文化財・世界遺産です。
…つーか名前よめねぇ…。
門の形をしていますが人が出入りするためのものではなく、安全祈願のための礼拝所だそうです。
さて、それではいよいよ城郭の中に突入。
最初に通るのが【歓会門(かんかいもん)】。
首里城城郭の正門です。
上部が工事用の足場とシートで半分隠れているのが残念。
本土の多くの城と違い、門自体は石で作られ、その上に櫓が乗っている構造です。
その次、【瑞泉門(ずいせんもん)】。
これは石の門柱の上に櫓が乗っている構造。やはり『1階部分』は木造ではありません。
もう一つ、本土の城と違い、桝形のような『わざと通りにくくする構造』がないのも特徴でしょうか。階段もゆるく真っ直ぐ。非常に歩きやすくできています。
首里城は軍事基地としての機能を考えられていない、ということでしょうか…?
【漏刻門(ろうこくもん)】。
まったく見えません(笑)。
近くに置いてあった工事内容のパネルでは、3月上旬に終了予定となっていたのですが。
うーん、いずれまた見に来よう…。
漏刻門を通った先はちょっとした広場になっています。
中央にはこの【日影台】。日時計ですね。
もう一つ、広場の角にある小屋(日影台の写真の奧に写っているもの)の中には【万国津梁の鐘(ばんこくしんりょうのかね)】。
この鐘は本来の設置場所が不明(正殿のどこからしい)のため、とりあえずここに置いてあるそうです。
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写真では何度も見た正殿まで、あといくつ門をくぐればいいのでしょう(笑)
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次は【広福門】。
窓のない、一面赤塗りというインパクトのある建物ですが、
これ自体が門としての機能も持っているというちょっと変わった存在。
ここを入ったところにチケット売り場があります。
ゆいレールの1日乗車券提示で800円→640円に割引きでした。
そして【奉神門】。
【御庭(うなー)】への入口です。
ここから先が有料エリアになります。
ちなみに、現在観光客の通り道として使われている中央の門は、本来は王族しかつかえなかったものだそうです。
そしてやっとたどり着きました、
【御庭】、そして【本殿】!
観光案内や旅行情報誌などでお馴染みの建物が、いま目の前に。
こうしてみると日本本土の城よりも中国のほうがイメージが近いですね。
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もちろん中も見学します。
御庭の右手(写真には写っていませんが)、【番所】から入り、中を通って【南殿】、【書院】、【本殿】、【北殿】と大きく反時計回りに半周するコースになっているようです。
まず【番所】と【南殿】。
ここは内部が資料展示室になっています。
入ってすぐ、大きな琉球の日傘が印象的。
続いて歴代の琉球王の『御後絵(おごえ)』。
国王の死後に描かれた肖像画なのですが、現物は喪失。
大正時代に撮影されたモノクロ写真による展示になっています。
その他、王族の使っていた品物など多数の展示。
金をあしらったきらびやかな小物類が目を引きます。
…以上、【番所】【南殿】内の展示は撮影禁止なので写真はなし。
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続いて【書院】。
【南殿】のさらに南側、御庭をかこむ建物群の外に新しく復元された建築物です。
ここは和風な作りですね。
茶室や縁側があるのですが、縁側から見える庭の景色が無国籍です。特に木。
いよいよ【本殿】に突入。
入ってすぐ、床にガラス窓が開けられており、オリジナルの石積の土台の遺構が見られます。実は世界遺産に登録されているのはこの遺構のみで、建物はすべて戦後の復元建築です。
ちなみに、北殿・南殿・番所は鉄筋コンクリートの近代建築による外観のみの復元で、本殿と書院は内部構造まで含めた復元です。
1階中央部、【御差床(うさすか)】。
一段高い所が国王の座。
写真ではよく見えませんが奧の障子のむこうには国王専用の階段があります。
左右の柱には色鮮やかに雲の間を飛ぶ龍の絵が。
2階に上ってすぐの場所ですが、右手の格子戸のむこうが【おせんみこちゃ】。
国王が毎朝東に向かって拝んでいた場所、だそうです。
2階中央部、【御差床】。
1階と同じく国王の座です。
その他、ちょっとした調度や品物の展示がありました。
内装は基本が赤漆塗り、金色をふんだんに使った華やかで鮮やかなものでした。
これも本土の城とは根本的に違います。
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最後に【北殿】。
ここは解説展示と土産物店になっています。
御庭のジオラマ。
新年行事の様子だったかな?
この風景も日本と言うよりは中国に近いような感じですね。
土産物店に首里城の写真集があったので1冊購入。今回工事中などで見られなかった建物や現在非公開の部分、空撮などが掲載されていて見応えがあります。
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【右掖(うえき)門】。
有料エリアからの出口になっています。
右掖門から続くゆるい坂道。
石垣や石畳の様子が本土の城とはかなり違います。
出口である久慶門へむかいます。
久慶門のすぐそばにある水路。
城の中にこれだけ豊富に水があるのは珍しいですね。
久慶門を内側から。
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首里城は美しい色彩に溢れていました。
内装・外観ともに鮮やかな赤色を基調としたものは本土の城には類を見ない物です。
金や青・緑なども多く使われ、コントラストのハッキリした華麗な装飾があちこちに施され、それが南国の明るい日差しによく映えていました。
今回は工事中でいくつかの建物が見られなかったのが残念です。
現在も建物の復元作業は進められているということなので、いずれきっとまた訪れてみたいと思います。
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【首里城】
http://oki-park.jp/shurijo-park/index.html
開館時間:8:30-18:30(12-3月)、-19:30(4-6、10-11月)、-20:30(7-9月)
入場料金:大人800円(ゆいレール1日乗車券の提示で640円)
見学所要時間:城郭内だけで1時間