今度は高岡駅の南側へまわって、瑞竜寺へ。
前田利長公の菩提寺で、富山県内で唯一の国宝です。
駅から瑞竜寺までは普通の街中を通っていくのですが、総門前に至る通りは中央が公園状に整備されています。ところどころに土産物店なども。
前田利長公の象があったり。
瑞龍寺
瑞龍寺は、かつてはこの復元図のように全体が漢字の『日』のような形の回廊で囲まれた配置となっていました。表向きは前田利長が織田信長・信忠を弔うために建てた寺ですが、有事には軍事拠点の一つとして機能することを想定されていたのではないか…とも言われています。
現在はこの図の上半分、山門より奥の建物は残っていますが、残念ながら図の下半分にある浴室と七間浄頭、それらを繋ぐ回廊は明治時代に失われてしまいました。
総門
瑞龍寺の総門。ここから中へ。
山門
総門と山門の間は、現在は建物のない広いスペースです。もとは上の復元図のように回廊で囲まれ、左右にも浴室、七間浄頭がありましたが、現在は回廊があった位置を植え込みで表しているのかな?そのまま真っ直ぐ進んで山門へ。
※全体が西向きなので激しく逆光です。午前中に来ればよかったな、と今頃言っても遅いですが。
山門にある仁王像。
仏殿
山門を入った先は、復元図の上半分通り、中央に仏殿、回廊に沿って禅堂・法堂・大茶堂・鐘楼・大庫裏が並んでいます。
仏殿内部には本尊の釈迦如来が祀られ、その両側には文殊菩薩と普賢菩薩が配されています。
法堂
法堂は瑞龍寺境内で最大の建物で、明暦元年(1655年)の建立です。6つの部屋を有し、その前には広縁、さらにその前には土間廊下があるという特徴的な構造です。この土間廊下は回廊の一部となっています。
大茶堂
大茶堂は住職の接賓や行事打ち合わせ、大衆に対して法義を行ったりする場所で、全国でも数例しかないという珍しい建物なんだそうです。
丸形で漆喰塗りされた天井が珍しいのですが、これは防火のためのものです。
大庫裏
庫裏とは僧侶の居住スペースのことですが、瑞龍寺の大庫裏は台所として機能しているようです。
大庫裏には韋駄天立像が祀られています。韋駄天とは仏教護持の守護神で、『韋駄天走り』という言葉にもなっているように足が速いことで有名です。
巨大な釜があります。今も使用されているものなのかは判りませんが…。
僧堂(禅堂)
僧堂(禅堂)とは、僧侶が座禅を組んで修行する場所です。瑞龍寺の禅堂は国の重要文化財に指定されています。禅堂で重要文化財指定を受けているのは、京都東福寺の禅堂・京都宇治の萬福寺の禅堂・そして瑞龍寺禅堂の3つだけです。
石廟など
回廊の法堂付近から裏手に出ることができます。
そこには大小5つの石廟が並んでいます。
この写真の右から順に、前田利長、前田利家、織田信長、正覚院(信長の側室)、織田信忠のものです。
同じく法堂裏手にある茶室。
中は見られませんでした。