案内所の人と世間話をしているうちに8:30。
山の斜面の途中にある入口までエスカレーターで上り…
ここが龍河洞入口。
入口右手に見えるのは【龍王神社】。
承久の乱の頃、土御門上皇がこの地を訪れた際に堂内を案内した小蛇の霊を祀った…とかなんとかいう伝説があるそうです。
中は狭い!
これくらい狭い方が冒険気分が盛り上がります。
【石化殿】
小さな粒上の鍾乳石が花のように見えることからこんな名前で呼ばれています。
…花というより皮膚病みたいでキモチワルイんですが。
【千仞の間】
洞内でいちばん天井が高い場所で、30mもあります。
千仞の間を真下から見上げてみました。
ライトが上に向けられていますが最上部までは光が届いていません。
【雲の掛橋】
石灰岩が水の浸食を受け、残った部分が白い雲がたなびいているように見える…
と説明板には書いてありますが…
雲には見えません(笑
とはいえ、こんなアーチ形が自然に出来たというのは面白いことです。
【飛龍の滝】
写真だと判りにくいですが、階段の裏あたりに水が流れています。
【記念の滝】。
この洞窟の中で一番高い滝で11mもあります。
水量も多め。
山内浩氏がこの滝を上り奧洞を発券したのだそうです。
記念の滝周辺は、龍河洞の中では比較的広い空間になっています。
滝の近くには龍河洞発見の記念碑がありました。
高僧修行の跡、とありますが、
このあたりまでは古くから人が入っていたのですね。
これも記念の滝の近く、【天降石】と【絞り幕】。
自然の造形の妙です。
天降石は記念の滝とほぼ同じ11mの高さがある道内最大の鍾乳石です。
かつては山内氏らが命がけで上った滝ですが、いまは階段で楽々奧へ。
記念の滝を離れると、ふたたび通路は狭く、屈んだり身体を捻ったりしながら進んでいきます。
【前の千本】
無数の石筍が並んでいます。
【竜宮殿】
なぜかどこの鍾乳洞でもこの手の名前がつけられた場所がありますね。
浦島太郎の竜宮城というより、ドラゴンが潜むダンジョンのような雰囲気ですが。
これは竜宮殿の近くにある冒険コースの入口。
本道と違って照明や見学路が完全に整備されているわけではなく、這って進まなければならない場所や真っ暗な場所をヘルメット+ヘッドランプ装着で進むという魅力的なもの。
この入口からして高さが人の背の半分もありません。最初から匍匐前進?
あ、だから下にマットが敷いてあるのかな。
冒険コースは完全予約制で、ナビゲーターが同行・追加料金+1000円だそうです。
通常時、この入口は金網で塞がれていて入れません。
…次の機会にはチャレンジしてみようかな…だれか一緒に行ってみません?
【奧の千本】
これまたお約束ですが青や緑の照明が不気味で幻想的な雰囲気を醸し出しています。
【くらげ岩】
これもお約束な感じのお化けクラゲ。
このあたりが見学コースのちょうど中間地点。
また少し広い場所に出てきました。
左手には流礫棚が観察できます。
この低くなったあたりは、かつては地下の川だったのでしょうか。
【裏見の滝】
天井の高い部屋に出てきました。
この表面が襞状になった巨大な鍾乳石は裏見の滝と呼ばれています。
記念の滝のように本当に水が落ちているわけではなく、
垂直に何本も走るひだを滝に見立てた物です。
僕はなぜかパイプオルガンを連想してしまいました。
裏見の、というだけあって裏側にも空間がありますが、
柵があるのですから道から外れないようにしましょう…。
【玉簾の滝】
裏見の滝と同じく、滝のように垂直に連なった形状の鍾乳石です。
【へそすり石】
昔、双葉山が龍河洞を見学したとき、ここが狭すぎてお腹をすりむいたとか…
本当に狭く、肥満体の人は通れないかもしれません。
なお、迂回路はありません(笑
【鬼面石】
くらげ石などと較べても小さな鍾乳石。
ずいぶん細長い顔の鬼もいたものです。
満月の階段とかいう名前がついていますが、
月に見えるのはただのライトでした。
細い穴があって外の光が見える…とか言うのなら面白かったのに。
ここはかなりの段数を上ります。
…そういえばここまでも下りより上りのほうがはるかに多かったような憶えが…。
【シャンデリア】
ずいぶんグロテスクなシャンデリア…
【通天門としんどい坂】
またしても長い上り階段。一気に3階分くらい上ります。
…それにしても、この名前はもうちょっとなんとかならなかったのか…。
【連星殿】
天井の無数の鍾乳石に水滴が星のように光ることからこの名が付いたそうですが…
照明がうまくあたっていないせいかよくわかりません…。
連星殿のすぐ隣、この二つの細長い岩はマリア像(写真中央)と釈迦像(右寄り)に形が似ているとされています。まじまじと見つめても鍾乳石にしか見えませんが、何も考えずにふっと目を向けると一瞬だけマリア様とお釈迦様に見えるような気もするようなしないような…。
【万象殿】
様々な形状の鍾乳石が集まっています。
【逢坂峠】
堂内でも最も高い場所です。
また広い空間でもあり、出口へ向かう傾斜を見下ろすことが出来ます。
このあたりにはコウモリが多数生息しています。
上を見上げるとときどきちらちらと羽ばたく影が見え…
…と思ったら、何匹か僕のすぐそばまで降下してきました。
もちろん大型動物を襲うような種類ではないのですが、
さすがに顔のすぐ前を横切られるとビックリします…。
逢坂峠から下り、かなり出口近くまで来た【奈落】。
このあたりに、最近有名になった鍾乳石があります。
わかりますか…?
この鍾乳石、シルエットが坂本龍馬に似ています。
大河ドラマがらみで話題になったもののようですが、
シャンデリアよりこちらのほうがよほどらしくみえます(苦笑
龍河洞の中を1時間以上かけて歩いて来ましたが、
目玉は最後の最後に残ってました。
【神の壷】
弥生式土器が鍾乳石と一体化したものです。
このあたりには弥生時代に人が住んでいた痕跡があり、
土器や石器が多数発見されています。
幕のように薄い鍾乳石。
非常に美しい形です。
冒険コースの出口もこのあたりにあります。
【穴居第2室】
広い空間になっています。
たき火の跡が残っていたそうです。
いまはその近くにたき火を表現する模型が置かれています。
鍾乳石の上に壷を置き、
神の壷のように鍾乳石に包まれるかの実験が行われています。
昭和12年から74年間ずっとこのままだそうです。
もうすっかり下の鍾乳石とくっついているように見えます。
【宝庫】
ちょうどロッカーのように使えそうな空間ですが、
実際に古代人が何かを保存するのに使っていたのかどうかはわかりません。
【穴居第1室】
『床』は土で平坦になっています。
このあたりで多数の土器が発見されたそうです。
うーん、このエリアだけで僕の部屋より広い…。
そして出口。
一般家屋のドアくらいの大きさしかありません。
ああ、面白かった…。
~~
出口は入口より数十mも高い位置にあります。
山の斜面に設けられた通路を下っていくのですが…
途中に店がありました。
土産物店や軽食などの売店ならわかるのですが…
なぜか、土佐刃物の専門店。
いやこの土佐山田が刃物で有名なのは聞いていますが、
入口前の商店街ならともかく、龍河洞見学後の人しか通らない通路に店を構えても…
どうなんでしょう?
洞窟見学の記念に包丁を1本??
~~
【龍河洞】
http://www.ryugadou.or.jp/
交通:JR土讃線【土佐山田】駅より土電バス【龍河洞】行きで20分・終点下車すぐ
入洞時間:8:30~17:00 (3~11月)、8:30~16:30 (12~2月)
休業日:無休
観覧料:大人1000円、中学生650円、小学生500円、時間外+100円、
冒険コース+500円(要予約)