【プロメテウス】観てきた。

話題のSF超大作【プロメテウス】を観てきました。
さすがに混雑。


地球上の古代遺跡…相互に交流がないはずの古代文明だが、残された壁画には共通のモチーフ…6つの星の並びとそれを指さす巨人の姿…があった。
これが人類を作り出し、古代文明に干渉した宇宙人『エンジニア』からの『招待状』であると考えた考古学者のエリザベス·ショウは、彼女の公私にわたるパートナーであるチャーリー·ホロウェイや大企業ウェイランド・コーポレーション出資による調査チームとともに宇宙船プロメテウス号で旅立つ。
目的の惑星で巨大なピラミッド状の遺跡を発見した調査チームだったが、ピラミッド内には巨人の死体が多数あるばかり。ミイラ状の死体から切断された頭部を持ち帰ろうとするショウ博士らだったが、調査チームに加わっていたアンドロイドのデヴィッドは密かに、遺跡内にあった正体不明のカプセルを持ち帰る。
死体の頭部は驚くほど人間によく煮ていたが調査中に急激な変異を起こして爆発。残された試料からDNAを調査すると、人間と完全に一致していた…。
一方、デヴィッドはカプセル内にあった謎の黒い液体を酒に混ぜ、ホロウェイに飲ませてしまう。
その翌日、遺跡内に残っていた2名の科学者が消息を絶ち救助にむかうが、遺跡内でホロウェイの身体に異変が生じる…。
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ホラーとしての演出はいいです。
最初の【エイリアン】を初めて観たときのように、心拍数が上がるタイプの映画。
予告編だと壮大に大風呂敷を広げるSFアクション大作に見えるのですが、実際は最初の【エイリアン】を踏襲した閉鎖環境におけるホラーです。激しいドンパチを期待して観に行くと肩すかし…というかただキモチワルイだけ、かも。
【エイリアン】シリーズと繋がる設定や、台詞・場面のオマージュと思われるものはたくさん出てきます。
アンドロイドのデヴィッド(今作では早い段階でアンドロイドであることが明かされますが)、
大企業ウェイランド・コーポレーション、
過去作でエイリアンに寄生された状態を『レイプ→望まぬ妊娠』の暗喩だと解釈した人がいましたが、今作では『望んでも子供を産めない身体→予期しない妊娠・出産』と、もう一ひねりされています。
もっと判りやすいところでは、『C』の形をした異星人の宇宙船やその操縦室のデザイン。これは最初の【エイリアン】で登場したものとよく似ています。
そしてプロメテウス号のクルーや調査チームを脅かす謎の存在も…。
というわけで、おおっぴらに【エイリアン】の続編(というか前日譚)とは言っていないのですが、
エイリアンシリーズを観てから(少なくとも最初の作品だけでも)の方が楽しめそうです。
まぁエイリアンシリーズ、特に最初の作品が好きな方はどうぞ、という感じでしょうか。
キモチワルイ・グロテスクなものが苦手な方はやめておいた方が良いです。
大作アクションが好きな方はアベンジャーズを、サスペンス調のものが好きな方はトータルリコールをどうぞ。
あそうだ、例によって吹き替え版で観たんですが。
ショウ博士が下手すぎ。主役なのに。
ヘタな上に声質があっていない。ショウ博士は30歳前後という設定だと思うのですが(役者さんがそのくらいの年齢だし)、明らかに声が若すぎる。まるっきり『女の子』の声と喋り。
誰かと思ったら、最近人気のゴーリキーとかいう人でした。
だから話題性だけでタレントを吹き替えに使うのはやめろと。
はるかぜちゃんの方が上手いぞ、AKB0048の声優選抜の子たちの方が頑張ってるぞ(←もはやテンプレ)
ネタバレ改行。
ホラーとしての【演出】はいいのですが、脚本はイマイチですね。
まず、この手の映画にはよくあることなんですが…学者がそろって馬鹿すぎ。
何があるか判らない場所に突入するのに『これは学術調査だから』といって武器を持っていくのをやめるとか(自分が持っていかないだけならまだしも、他人にまでそれを勧めてしまう)、
『二酸化炭素の濃度が下がった』という程度の検査しかできていないのに気密服のヘルメットを取ってしまうとか、
その辺にあるものにやたらと触ってしまうとか、
遺跡の中でロクにマッピングもせずに道に迷うとか、
性質のまったく判らない宇宙生物に対して、まるで子猫をあやすような態度で近づいてしまうとか、
まぁ、全員が充分な注意を払っていたら話が先に進まなくなってしまうのでしょうが、
世の中の学者っていくらなんでもそんなウカツな奴ばかりでは無いでしょうに。
アンドロイド・デヴィッドは正体不明の黒い液体をホロウェイに飲ませるという、結果として災厄を招く行動をとりますが、この理由がわからない。『興味本位』?さんざん『感情がない』と強調されていたのと矛盾するように思いますが。明示的に指令を受けていたのでしょうか。
エイリアンの変態の様子が過去作と変わったのでしょうか。
今作では
最初の宿主(ホロウェイ)が黒い液体を経口接種することにより感染
→翌日、眼球表面にごく小さなイモムシのような生物を確認
→おそらく前夜の性交によって第2の宿主(ショウ)が感染
→10時間後、第2宿主の体内(胎内?)で人間の胎児なら3ヶ月ほどの大きさに成長
→開腹手術により体外へ(過去作と違いショウは生存)、この時点ではイカのような形状
→単純にイカが巨大化したのか別のプロセスを経てか、いつのまにか数m大に
→第3の宿主(エンジニアの生き残り)の口に産卵管?を挿入、直後に原因不明で巨大イカは動かなくなる。過去作のフェイスハガーと同じもの?
→第3の宿主の身体を突き破って、やや小型ながら過去作の成体エイリアンとよく似た形状の生物が登場
あとは思いつくままに。
冒頭の惑星はどこで(人類発生以前の地球?)、異星人(エンジニア?)は何をしていたのか。
  手塚治虫の【火の鳥】にあったような、自身が『DNAの種』になるという犠牲的行為??
なぜ異星人は地球に黒い液体を運ぼうとしていたのか。
そもそも黒い液体はなんなのか。劇中では登場人物の一人が『大量破壊兵器として開発されたもので、舞台となった惑星はエンジニアの母星ではなく兵器の実験場に過ぎない』と推測していたが…
この惑星は初代【エイリアン】でノストロモ号が立ち寄った星なのか。
異星の怪物の情報は、初代【エイリアン】の劇中時間より前に地球に届いていたのか。
そういえば冒頭で『地球からの距離が3.27×10^14km』と字幕で出ていたような気がする。
約35光年。なのにプロメテウス号の航行は2年。ワープ航法の類が実用化しているなら、逆になぜコールドスリープが必要なのか。
さらに劇中では『わざわざ8億キロもやってきて云々』という台詞がでてくるのはなんだったんだろう。8億kmなら太陽系の中じゃん。木星軌道くらい。
劇中では『別の銀河』とか『未知の惑星』とか言う言葉も出てきていたのだけど、それなら35光年じゃ逆に近すぎるよね?
どれかが誤訳?僕の聞き間違い?

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