笠間城について
続100名城112番・茨城県の笠間城、登城8城目(通算106城目)です。
JR笠間駅から直線距離で約2kmほどのところにある佐白山の山上に築かれた山城です。
歴史
鎌倉時代、正福寺と徳蔵寺の僧兵達が互いに争い合っていたのに対応するため、下野守護宇都宮頼政の甥・笠間時朝が佐白山山麓に築城したのが始まり。2つの寺を滅ぼした後、笠間氏は承久元年(1219年)に佐白山頂上に城を築き、これが現在の笠間城の元になっています。その後18代にわたって笠間氏がこの地を治めましたが、天正18年(1590年)の小田原征伐の際に笠間氏は滅亡。笠間城には蒲生郷成が入城します。慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いの後には松井松平家が入った後は度々城主が変わり、最後に牧野氏が8代続いて廃藩になりました。
構造
山頂に天主曲輪、そこから山腹を下る方向に本丸、二の丸など曲輪が配置されています。
見学ガイド
城内には建物は残っていませんが、曲輪の構造は残り、大手道沿いの数カ所で石垣が観察できます。天主曲輪には現在は佐志能神社が建てられています。
また、八幡台櫓など別の場所に移築現存している建築物がいくつか存在します。
いざ登城
笠間城の最寄り駅はJR水戸線の笠間駅。駅から山麓の駐車場までは約3km、ある国はちょっと遠いのですが、駅から笠間城方面へ向かうバスはなんと午前中のみ!
幸い、駅前の観光案内所で電動アシスト付きの自転車を借りられました。
17時まで借りて500円でした。
駅から1kmほど、道がS字型に曲がっている場所がありました。枡形の跡かな?
井筒屋
駅から1.6kmのところにある井筒屋に到着。駅からここまではほぼ水平移動です。
もとは商店だった建物を改造した観光案内所で、展示室・喫茶室があります。続100名城スタンプもここ。
受付で笠間城の現状を確認すると、台風15号の影響で千人溜まり駐車場が駐車禁止になっているため、自転車も含めて車両は手前にある臨時駐車場に停めなければならないとのこと。ただし歩行者は千人溜まり駐車場を通過することは可能ということで、登城ルート自体は当初の予定どおりいけそうです。
笠間城を一周するのにどのくらい時間がかかるか判らないので、先に井筒屋の展示室を観ていくことにしました。
笠間城の歴史や縄張りなどについての解説パネル展示が。
平日のためか他に見学者がいません。
こちらには笠間城のジオラマがありました。
ジオラマ拡大。この写真手前の低い位置にある長方形の曲輪が千人溜(現在の駐車場)かな。そこから左側の山の上にある天主曲輪まで登ります。
千人溜まで
台風による倒木のため千人溜駐車場が使えず、その200mほど手前にある仮設駐車場に自転車を停めました。ここまで井筒屋から1km弱、高低差50m程度の登りです。まぁ電動自転車なら楽勝。
仮設駐車場の近くにある大黒石。
現地の案内版によると、
『鎌倉時代の初め、佐白山の僧兵と、七会の徳蔵寺の僧兵がその勢力を争って戦った。佐白山の僧兵は戦いに敗れて佐白山頂近くまで逃げのび、山上にあった大黒石を転がした。徳蔵寺の僧兵は、ころげ落ちる大黒石の下敷きになり多くの死者が出たため、佐白山の僧兵は、あやうく難を逃れることができた』
とあり、この大石がその『大黒石』ということのようです。
現地の案内版に書いてある
『この大黒石の中ほどに小穴があり、大黒のおへそといわれ、このへそに小石を三度つづけて投げ、そのうち1つでも入れば幸せがあると伝えられています』
ってこれのことかな。
戦で人を殺した石に幸せをねがうってのもなんだかな…。
千人溜駐車場
本来はここが笠間城見学の起点になるのですが、台風15号による倒木のため駐車禁止になっていました。ただし歩行者の通過は可とのことなので、ここを突っ切って大手門跡(写真の初期方向奥)へ進みます。
※2019年10月15日、台風19号の影響で千人溜が全面立入禁止になりました
※2019年10月30日、千人溜の立入禁止は解除されました。ただし駐車は禁止のままです
大手門跡
駐車場からすぐ、大手門跡があります。
落ち葉が多くて判りにくいですが、車が通れそうな幅と舗装です。
一般車は進入禁止ですが、管理・作業車・緊急車両は本丸まで行けるようです。
歩行者には近道(階段)もあるのですが、車道の方が傾斜がゆるく歩きやすいので登りはこちらをすすみます。
左手の土塁っぽいもの、その向こうや初期方向背後にある堀のようなものも遺構でしょうか。
進んでいくと、数カ所で石垣を観ることができます。木や草に覆われて見つけにくいところもありますが、井筒屋で貰える地図に石垣の残っている箇所も記入されていますので、それを参考にして探すとよいでしょう。
このループ状のカーブは明らかに車用ですね…。このループの下が、1つ前の写真の石垣です。
位置的には二の丸でしょうか?もう少し正確な図面があればGPSと照らし合わせてみるのですが、
こちらも竹の向こうに石垣が見えます。
このまま車道を上って本丸へ。
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