五稜郭タワーの次は四稜郭へ。五稜郭に較べて知名度はずっと低く、規模もずっと小さいです。
四稜郭について
歴史
明治2年(1869年)春、蝦夷共和国(旧幕府脱走軍)によって五稜郭の支城として築城されました。旧幕府脱走軍約200人・地元住民約100人が動員され、昼夜を問わない突貫作業によって数日で完成したといわれています。
同年5月11日に新政府軍による攻撃が開始されました。当初、立て籠もった旧幕府軍は防衛に努めていましたが、新政府軍が四稜郭と五稜郭の中間にある拠点を占領されると、退路を断たれることを恐れて四稜郭内の旧幕府軍は五稜郭に撤退、四稜郭は廃棄されました。わずか1ヶ月ほどの存在でした。
構造
内寸長辺65m×短辺40m、土塁外側の頂点間だと長辺100m×短辺70mほどの長方形の頂点を引き延ばして突起状にしたような形状です。『蝶が羽を広げたような形』とも表現されています。周囲は土塁で囲まれ、内部は単一の平面になっています。また南西側の入口には枡形状の構造があります。4つの角にはスロープがあり、その上は砲台になっています。
見学ガイド
五稜郭の北方3kmほどの斜面上にあります。すぐ近くに『四稜郭』バス停がありますが、1日に2~3便しかなく、しかも最終便が昼過ぎです。もっと本数の多いバス停は1.5kmほど離れています。
いざ登城
というわけで、今回は五稜郭タワー前からタクシーで一気に移動することにしました。
さすがタクシーだと15分ほどで到着。代金は2,000円ほどでした。体力や時間が節約できたことを考えると、まぁ安いかな…。四稜郭は公園として整備されていて、入口前には駐車場があり、そこまでタクシーで行けます。車を降りたら徒歩すぐ四稜郭公園入口です。
四稜郭
現地は公園として整備されています。駐車場から公園内に入り、南西側の土塁に沿って進んでいきます。こちら側の土塁は3mほどの高さがあり、また手前は二段になっているように見えます。南角あたりの防御が一番固いようです。
内部
入口は南西側の辺の中央部1箇所のみです。
土塁に囲まれた通路は入ってすぐに90度左に折れ、枡形のようになっています。
入口枡形を城内側の上から見下ろすとこんな感じ。きれいに90度曲がっています。
四稜郭は曲輪1つの単純な構造です。周囲を囲む土塁のみで建物は作られなかったようです。
東側の角付近。土塁は単純な長方形ではなく、数カ所で折れ曲がってやや複雑なラインになっています。
四隅にはこのようなスロープがあります。スロープの上の水平部分に大砲が設置されたのでしょう。
外部
次は城外へ出て土塁の周りを一周してみます。写真は西隅ですが、このあたりでは土塁のすぐ外に堀があることが判ります。もとは堀も周囲をぐるっと一周していたようなのですが、埋まってしまっていて判別しにくいところが多いです。
北東側の土塁。堀がかすかに判別できます。が、土塁が人の背より低く、中が覗けてしまいます。
西側には広場があり、ベンチが設置されています。
これにて見学終了。規模が小さく、構造も単純なので短時間で一回りできてしまいました。
この日の見学予定は四稜郭が最後。時間があるのでタクシーを呼ぶことはせずバス停まで徒歩移動しました。『松風町』バス停だったかな?道程1.5kmほど、知らない土地だとけっこうな長距離を歩いたような気分になりますね…。まぁ乗ってしまえば函館駅前まで1本なので楽ですが。
まとめとデータ
小さな砦で知名度も低いですが、土塁はよく復元されていて構造が判りやすく、また駐車場や通路が整備されていrので見学はしやすいです。ただ行くのにかかる手間のわりにすぐに一回りできてしまうので拍子抜けするかもしれません。
Webサイト | 函館市公式サイト内の紹介ページ |
地図 | GoogleMap |
アクセス | 『亀田支所』より函館バス69系に乗車、『四稜郭』より徒歩すぐ(1日3本) 『亀田支所』より函館バス58系に乗車、『四稜郭入口』より徒歩10分(1日5本) 『函館駅前』より函館バス61系などに乗車『神山2丁目』より徒歩20分(1日8本) 『函館駅前』より函館バス58系、71系などに乗車『神山通』より徒歩20分(1時間に4本~) |
開館時間、休館日 入場料 | 見学随時、入場無料 |
見学所要時間 | 30分 |
備考 | 駐車場25台 トイレあり ベンチあり 飲料自販機なし |
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