基山駅から甘木鉄道で大刀洗へ。大刀洗平和記念館の見学です。

記念館の展示とは関係ないと思うのですが、駅を出てすぐのところにT33練習機がありました。
館外

大刀洗平和記念館は太刀洗駅からはすぐです。駅前ロータリーを出るとすぐ向かいに記念館の門があります。この門柱、ずいぶん古びているな、と思ったら、大戦中の第五航空教育隊の門柱だそうです。

屋外にはヘリコプターMH2000が展示されています。
実物大戦闘機
館内は原則撮影禁止なのですが、3つの戦闘機(実機/実物大模型)だけは撮影可能です。
震電

まず1機目、実物大展示としては非常に珍しい、第二次大戦末期の戦闘機『震電』です。試作機が数機作られた(完成は1号機のみ、2号機と3号機が組立中)段階で終戦を迎えてしまい、実戦ではまったく使われなかった機種です。完成していた1号機は調査研究のためアメリカに運ばれ、2号機以降はすべて廃棄・焼却されたため、国内には機体は(部品レベルでさえ)現存していません。ここに展示されているのは映画『ゴジラ-1.0』の撮影に使用された実物大の模型です。この映画に登場したことにより、それまで大戦中の兵器に興味のある人しか知らなかった『震電』の知名度が一気に上がりました。

その特徴は、なんといっても主翼とプロペラが後についており、普通の戦闘機とは前後が逆にみえる独特の形状でしょう。この写真は後ろから見てますが、操縦席がなければこちらが前だと思ってしまいます。
プロペラは当時の日本機としては珍しい6枚ですが、実機では4枚に変更される予定でした。

横から。着陸脚が異様に長いのも震電の特徴ですね。まぁ正直に言えばちょっと不格好な印象です。
零戦

震電の隣には『零式艦上戦闘機』、通称『零戦』/『ゼロ戦』が展示されています。零戦には日本国内だけで十数機が現存し、あちこちの博物館などに展示されていますが、そのほとんどは二一型か五二型。大刀洗に展示されているのは三二型で、国内唯一のものです。(他にアメリカとイギリスに1機ずつ三二型が現存していますが、大きな欠損があり機体全体とはいえないようです)

三二型の外見上の特徴は、この翼端の形です。他の型では翼端が丸くなっているのに対して、三二型では切り落とされたように角張っています。

後方から。この機体はマーシャル諸島で発見されたものを福岡航空宇宙協会が購入し、中日本航空で修復したものだそうです。現在は筑前町に寄贈され、大刀洗で展示されています。

零戦はコクピットの中を覗くことができるようになっています。
九七式戦闘機

実物大展示の3機目は、これまた激レア機体の『九七式戦闘機』です。震電と零戦が海軍の機体なのに対して、九七式戦闘機は陸軍の機体です(当時の日本軍には空軍が存在せず、海軍と陸軍で別々に機体を設計・製造・運用していました)。海軍が同時期に運用していた九六式艦上戦闘機(通称九六艦戦)に較べると知名度は低いですね。
この機体は博多湾に不時着水して沈んでいたものを引き上げて修復したもので、九七式戦闘機の現存機体は国内でこれ1機だけなんだそうです。
そういえば知覧の掩体壕公園に展示されている実物大模型は九七式戦闘機がモデルだと思いますが、それを含めても九七式戦闘機の実物大展示は国内で立った2機しかありません。

機体は無塗装ですが、これは発見時の状態を敢えて残そうという意図のようです。

引き上げられた機体は脚の車輪が破損していたのですが、漫画家の松本零士氏から車輪を寄贈され、取り付けてあるのだそうです。
…って戦闘機の車輪を個人所有していたってどういうことなの…。
そのほかの展示
先述した通り、3機の実物大戦闘機以外の撮影は禁止だったので他の展示の写真はありません。が、これから行こうという方に注目して欲しい展示をいくつか。
天井のB29
展示室の天井を見上げると、ほぼ実物大のB29の形が展示されています。模型ではなくシルエットだけですが、零戦や震電との大きさの違いがわかります。
シアター
戦時中の大刀洗空襲を描いたアニメーションが上映されます。これは必見。
そのほかにもいろいろと興味深い展示や考えさせられる展示があります。全体としての規模はそれほど大きくないのですが、観に行く価値のある博物館です。


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