八王子神社~本丸
休憩所
柵門跡から20分(登山口から45分)、広く平坦な場所に出ました。右手にあるのは休憩所のようです。
近くには『頂上』と書かれた碑があるのですが、明らかにまだ登るよね…?
八王子神社
上の休憩所の写真の奥にあった階段を上ると八王子神社です。隣にある小さな祠は、八王子城落城寸前に檜原村へ落ち延びる途中に切腹して果てたといわれている横地監物吉信が祀られています。
八王子神社の歴史は八王子城よりずっと古く、延喜13年(913年)に華厳菩薩妙行が深沢山(現在の城山)山中で修行をしている際に牛頭天王と8人の王子神が現れたことから、この地に八王子権現を祀ったのが始まりといわれています。牛頭天皇とは素戔嗚尊または大国主命と薬師如来が習合したもので祇園精舎の守護神ともいわれているのだそうです(中学生の頃に神仏習合のことは習った記憶がありますが、詳しい話はよく知りません…)。牛頭天皇には后である頗梨采女との間に8人の子があり、これが八王子です。
北条氏照は築城にあたり、この伝説に基づいて八王子権現を城の守護神としました。『八王子城』そして現在の地名である『八王子』はこれに由来しています。
八王子神社には神楽殿があります。周辺でいちばんしっかりした建物に見えます…。
本丸
八王子神社の裏手をさらに5分ほど登って、ようやく本丸にたどり着きました。山上なので平坦な部分は10m四方ほどしかありません。かつては本丸を横地監物吉信が守っていました。
本丸には祠と、『八王子城本丸跡』の碑があります。
松木曲輪
本丸から降りて、上りでは通らなかった曲輪を見学します。
まず八王子神社から神楽殿の先に少し進んだ場所にある松木曲輪です。中の丸とも二の丸とも呼ばれています。八王子城の戦いでは中山勘解由家範が守っていましたが、前田利家の軍相手に敗北。しかしその奮戦ぶりは家康の耳に入り、家範の遺児は取り立てられて水戸徳川家の家老にまで鳴りました。
この曲輪はかなり広く、現在はベンチも多数設置されています。僕が行ったときはグループ登山者がお弁当を食べていました。曲輪の一方には慰霊碑が建てられています。
松木曲輪は眺めもよく、高尾山方面を一望できます。条件がよいときには富士山も見えるそうです。
小宮曲輪
八王子神社前から分岐した道…一応道はあるのですが人通りが少ないためか草に覆われて非常に判りにくい…を進んだ小宮曲輪です。三の曲輪、あるいは狩野一庵が守っていたことから一庵曲輪とも呼ばれています。
搦め手を登ってきた上杉景時の奇襲により落とされてしまいました。
これで八王子城の遺構はだいたいまわりました。数カ所で登山道が通行止めになっていたため見られなかった場所もありますが、初登城以来10年以上ぶりに八王子城要害部を回れて、ようやく宿題を終わらせられた気分です。
データ
麓の館跡がよく整備されていて見学しやすいのに対して、要害部は舗装されていない山道を40分以上かけて登る必要があります。最低でもトレッキングシューズなど山道を歩ける格好でお出かけ下さい。また山中には何カ所かベンチや休憩所がありますが、水飲み場や自販機、売店は一切ありません。登城前に充分な飲料を用意して下さい。
Webサイト | 八王子城オフィシャルガイドの会 八王子市公式サイト内、八王子城跡のページ 八王子市公式サイト内、ガイダンス施設のページ |
地図 | 八王子城 |
アクセス | JR・京王線高尾駅北口バス停1番乗場より、 ・『八王子城跡』行き、終点下車 ※ガイダンス施設すぐ隣がバス停ですが土日祝のみの運行です。1時間に1本しかありませんが体力が温存できるのでオススメ。 ・『高尾の森わくわくビレッジ』『宝生寺団地』『恩方ターミナル』『大久保』『陣馬高原下』『グリーンタウン高尾』『美山町』下車。 ※平日も運行、本数も多いのですが、バス停からガイダンス施設まで1km少々(15分)ほど歩きます。 |
開館時間 | ガイダンス施設:09:00~17:00 |
休館日 | ガイダンス施設:年末年始 |
入館料 | 無料 |
100名城スタンプ | 管理事務所 |
備考 | トイレはガイダンス施設・管理事務所・松木曲輪近くにあります。 飲料自販機は管理事務所周辺・ガイダンス施設周辺にあります。山中にはありません。 ガイダンス施設近くに駐車場あり。利用時間は8:30~17:00。 |
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