東京都水道歴史館

お台場の【水の科学館】にあったチラシで、お茶の水にも【水道歴史館】という博物館があるのを知りました。…で、早速行ってみようかと。


JR御茶ノ水駅から順天堂大学病院の脇を入ってちょっと歩くと…
予想外に立派な建物が!
東京都水道歴史館
早速中へ。
見学は無料。
音声ガイドも無料だというので、借りることにしました。
水道歴史館エントランス
順路に従って2階展示室から見学。
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2階展示室は江戸時代の水道。
江戸上水図
江戸時代は意外にも上下水道が完備されていました。
多摩川などから取水し、江戸町内まで導き、さらに町中に張り巡らされた水道を通じて各所の上水井戸に溜める…という、非常に大がかりな設備がありました。
水道管として使われていたのが木樋とよばれる木製のパイプ。
密閉性を高めるため
形状を工夫したり、継ぎ目を間違えないようにマークをつけたり、
木の皮の繊維をつかってすき間に充填したり、
いろいろな工夫がされていました。
そのため、単に低い場所に向かって水を流すだけでなく、いったん深い位置の水道に流してから再び高い位置の水道に戻す、ということも可能でした。
段差のある木樋
これがその実物。溝を避けるために一段低くなっているようです。
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玉川上水の工事についての解説。
玉川上水ものがたり
土木工事機械のない時代、人力だけであれだけの距離を掘り進めるという大変な事業について、アニメーションと人形劇、図で解説。
上水井戸
町まで引かれた水道は、地下の木樋を通って町内各所の上水井戸に溜められるという構造でした。写真はその模型です。
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長屋
二階展示室の一番奧には、江戸時代の長屋の実物大セットがありました。
長屋のトイレとゴミ捨て場.jpg
上水井戸、下水、公衆便所やゴミ捨て場と、想像するより進歩したつくりだったことがわかります。
江戸時代の風呂・台所などについての解説をするアニメーションブースあり。
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江戸時代にも水道料金があり、武士・大名は石高に応じて、町民は家の大きさに応じて支払っていたとか。江戸時代って想像より社会制度も近代的??
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つづいて3階の企画展示コーナーへ。
『東京サバク』
…という言葉は、もともとは東京オリンピックの少し前、深刻な水不足で厳しい給水制限のあった状態を指した言葉だったんですね。
それがオリンピックを目指して新しい取水口や浄水場を突貫工事の末に完成させ、都内に充分な水が行き渡るようになったと。
その時代のニュース映画を上映していました。
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エントランスのタワー
1階に下りて、こんどは明治以降の近代水道について。
鉄製水道管
金属製になった新しい水道管。
水道管そのものの発達、それによって敷設のための技術が変化していく様子。
淀橋浄水場。
ポンプ舎の模型、当時の浄水場の構造、
浄水場時代と現在の高層ビル群と、新宿西口の景観の違いを表すジオラマ。
馬水槽
馬水槽のレプリカ、
街中で馬が倒れるのを防ぐため、
ロンドンから送られた人・馬・犬猫それぞれのための飲み口を装備したものだそうです。
大型水道管
現代の直径3mもある水道本管、
その他大小の水道管。
戦争によりインフラが破壊された時代のビデオ上映、
小河内ダム。
模型、工事の状況、そのための技術解説など。
漏水発見の技術。
お台場でも見ましたが、地中の音を聞くための危惧、
実際に作業をしている人のコメントをビデオ上映。
高度浄水。
オゾンと活性炭を用いて、よりおいしい水をつくるための技術。
クイズコーナー。
3ジャンル各5問。展示をちゃんと見てくればわかりますw
その他資料。
その日の都内での水道使用量がリアルタイムに表示されるパネル、
災害時の給水所の一覧表など…。
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交通の便がよいせいか、お台場よりは見学者が多かったかな。
あ、土曜日だったからかな。それにしては少なかったと思うべき??
とにかく無料だし、けっこう興味深い展示もあるし、行きやすいのでオススメ。
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というわけで、水道歴史館でした。
都内にはもう1箇所水道関連の博物館(+ダム見学)があるので、近いうちにそちらも行ってみようかと思います。都内と行っても奥多摩だけど…。

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