二の丸
沼田城二の丸には、城時代の遺構はほぼ残っていません。
その代わり、旧生方家住宅などの明治~大正期の建築が保存されています。
旧生方家住宅
沼田藩の薬酒御用達を務めた商家である生方家の住宅が保存されています。17世紀末頃(というと将軍が徳川綱吉だった頃でしょうか?)の建築で、その後昭和に至るまで何度も改修されながら使われてきた建物です。昭和45年に国の重要文化財に指定され、昭和48年に沼田公園内に移築復元されました。
内部見学は本来有料なのですが、この日はたまたま無料開放日でした。
旧生方家住宅の大戸。扉には小さなくぐり戸があり、通常は大戸は閉めてくぐり戸を出入りしていました。
大戸から続く通り庭。 屋内ですが『庭』なんですね。
板の間
帳簿、算盤、天秤や薬匙など、薬種問屋らしい備品が多数展示されています。
土間
突き出し看板や明かり取りの窓枠、鬼板(鬼瓦と似ているが木製)などが置かれています。
四の間
三の間
二の間
上店
下店
生方記念資料館
隣接する生方記念資料館。
旧生方家住宅の元の持ち主であり、沼田町長も務めた生方誠が収集した美術品などが展示されています。
展示室はこんな感じ。
ヨーロッパで買い求めた舞台人形、これだ他の展示物とはテイストが違って目立っていました…
沼田小学校講堂記念体育館
これは旧生方家住宅のような保存・展示建築というわけではなく、現役で体育館として利用されている建物です。
現地には案内板などがみあたらなかったのですが、調べてみたら大正2年の建築のようです。沼田尋常小学校で講堂として使われていた建物が昭和48年に現在の位置に移築されたものだそうです。中は覗けなかったのですが、一般的な体育館に改装されているようです。
ちなみに、現在沼田小学校の正門があるのはかつて沼田城の大手門があった場所で、デザインが冠木門なのだそうです。バスの時間ギリギリになってしまって観に行けませんでした。残念!
二の丸に残る碑など
生方たつゑ歌碑
写真だとほとんど字が読めませんが、
『冬やまの 痩せたる襞に おきわたす 根雪の光り きびしこの国』
とあります。
生方たつゑは沼田市名誉市民で歌人。夫は生方記念資料館所蔵品の持ち主であった元町長の生方誠氏。
生方たつゑ歌碑からテニスコートに向かって進んだ場所にある寿楽園碑。
寿楽園とはこの公園の昔の名前らしいです。
かなり高い土盛りの上にあるのですが、城時代の土塁の名残でしょうか。
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