金沢能登~プロローグ

~15年ほど前の話。
大学院に進学して初めての学会発表の場は金沢大学でした。
先生と先輩は先に出発。実験の予定が遅れていた僕は発表前日の夕方まで研究室にいて、18時頃に上野を出発する特急に飛び乗って深夜に現地入りしました。


翌日朝、会場である金沢大学へ向かうバスのなかから『兼六園下』というバス停をみかけました。
…ここが有名な『兼六園』か。
中もぜひみたいと思ったのですが、その日は夕方まで会場にいる予定。見学をしている時間はありません。
そして当時の僕は奨学金でやっと生活しているような超貧乏学生。研究室費で一泊分の宿泊費と交通費は出ていたのですが、余分に宿泊するなら自分のポケットマネー。…そんな金銭的余裕は、まったくありませんでした。
悔しいけれど、仕方ありません。
発表は何とかこなし、夕方にはまた東京へ向かう列車の車中にいました…。
~半年ほど前の話
今なら旅行をする時間も資金もあります。
『兼六園を筆頭に、日本の三大名園を見て回ろう!』
という計画を立てたのが今年の2月。
まずは雪吊りが残っているうちに兼六園へ…。
…と、思ったのですが、その頃は仕事が立て込んでおり、残念ながら現地で何泊もできるような日が取れそうにありません。
そこで、兼六園行きは中止し、かわりに日帰りできそうな偕楽園へ先に行ったのですが……
もし当初の計画通りなら、金沢にいるはずだった日に能登大地震!
…呪われてるのか、僕は。
~それから数ヶ月。
6月中頃まで、精神的にも肉体的にもぐったり疲れていました。
『休養宣言』をして自営の仕事をいくつか断り、さらに金曜日に講義を持っていた専門学校が夏休みに入ったことで多少余裕ができ、、、カレンダーを見て7/13~16が4連休になっていることに気付きました。…ちょうどその時、大地震によって寸断されていた奥能登の交通網がようやく復旧したというニュースが。
よし、今度こそ行こう!
出発日まで1週間を切っていましたが、宿・特急指定席券・現地の観光バス・その他予約が必要な見学地すべて手配ができました。(ってことは空いてる?)
普段土日にやっていることはすべて前倒しで木曜日までに終わらせて。
当日は始発バスにのって出発…。


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