サン・ファン館

石巻市まで行ったら絶対に見学したいと思っていた施設の1つ、サン・ファン館に行ってきました。あまり交通の便の良くない場所で、特に最寄り駅の渡波駅を通るJR石巻線の本数が1~2時間に1本と非常に少ないのが公共交通機関ユーザーにとっては悩みどころです。

今回はJR石巻駅から渡波駅を経由して鮎川港へ向かうバスを利用しました。この路線は1日参本だけの運行で、土日の昼の1本のみサンファンパークを経由します(前後の便は開館時間外になってしまうため)。しかし今回は開館時間に入館するため、朝8時30頃に石巻駅前を出発する便に乗車し、サンファンパークの1つ手前のバス停・『潮見台公園入口』からサン・ファン館まで1.5kmほど歩くことにしました。これで徒歩時間も含めて9時過ぎにサンファンパークに到着することができます(サンファン館開館は9:30、隣接するサンファン広場などは9時でも入場可)。

バス停からサン・ファン館までは海沿いの道を歩いて行ったのですが、このような防潮堤が設置されていました。東日本大震災後に作られたものでしょうか?

実はほんの数日前の7/30~7/31はカムチャッカ半島を震源とする地震による津波警報が発令されていて、サン・ファン館は臨時休館していたそうです。津波の被害がなくてよかったし、無事に見学できてよかった…。

サン・ファンパーク

というわけでたどりついたのは石巻市サン・ファン・バウティスタパーク、通称サンファンパークです。まだ開館時間まですこしあるのでちょっとだけ散策しました。

階段を降りたところにある、放射状に白線が引かれているのがサン・ファン広場。支倉常長がみたイタリア広場をイメージしたもので、野外ステージをそなえています。

写真奥の部分には休憩所もありました。

芝生広場には、遊具やベンチなどが配置されています。

サン・ファン館入口近くにある 夢をかなえる鐘。定番ですが。

見晴台からは海が見えます。幸い天気が良く、気持ちのいい眺めでした。

サン・ファン館

開館時刻。さてサン・ファン館の入口はどこか、と思ったら、見晴台から階段を降りたところでした。…どおりで、公園内にそれらしい建物が見えないわけだ…。

展望棟

サン・ファン館は海を望む丘の上にある展望棟と、その眼下の海の近くにあるドック棟の2つに別れています。まずは展望棟の見学から。

ロビー展示

最初の展示室は伊達政宗公と仙台藩についてでした。

次は遣欧使節団について。重要人物たちの紹介と…

使節の乗った船が出帆するシーン。船の部分だけが立体的になっていて、背景は投影によって描画されます。

慶長使節展示室

こちらは慶長遣欧使節について、より詳しく解説しています。壁にはぐるっと支倉常長と遣欧使節が辿った歴史の年表が書かれています。出発が1613年、帰国が1620年。実に7年もの長きにわたる旅でした。

部屋の中央には万国地球儀。遣欧使節が派遣された時代・17世紀当時の世界地図を地球儀にしたものです。地表で測量するしかなかったわりには、各大陸がかなりそれっぽい形に描かれているように主おいます。

シアター

帆船の甲板をイメージしたと思われるシアターでは、支倉常長を主人公とした20分ほどの映画が観られます。歴史の教科書では『欧州に派遣された』の一行で片付けられてしまう支倉常長が、現地で何を思いどのように行動したのかが描かれています。

特別展示室

この日は『映画の中の復元船』と題して、映画『レジェンド&バタフライ』で使用された衣装などの展示がありました。レジェンド&バタフライは木村拓哉さん演じる織田信長と、綾瀬はるかさん演じる濃姫の物語で、『南蛮船』の場面の撮影をサン・ファン館の先代(実物大)復元船で行ったのだそうです。先代復元船は、東日本大震災で受けた被害が元で劣化が進んでおり撮影当時既に解体が決定して内部公開を停止していました。これが最後の活躍になった…ということでしょうか。

ドック棟

では次はドック棟へ。

展望棟とドック棟は標高差が30mくらいあるようです。その間はエスカレータで結ばれています。

エスカレータの途中からドック棟を見下ろしています。現在の復元船は先代(実物大)の1/4ほどの大きさです。地面に書かれた茶色の部分が先代の大きさかな、と思います。

エスカレータの途中には、東日本大震災時に津波がここまで来たという表示があります。高さ8m、ドック棟の展示室は完全に水没する高さですね。

東ウイング

ドック棟があるのは海からV字型に切り込んだ土地になっていて、その地形を活かした建物配置になっています。まずはエスカレータから海に向かって左手、東ウィングです。こちらには帆船の建造法や構造、航海術など、技術的な面からの解説展示があります。

船の建造に使われた木挽鋸などの工具類が並んでいます。これは復元船建造に実際に使われたものかな?

こちらは公開中の様々な仕事や船の中での生活の様子を等身大の人形で表しているコーナー。

船の構造を表しています。支倉常長の部屋は最後部・最上段で、船では貴重な個室でした。

こちらは、慶長遣欧使節を乗せたサン・ファン・バウティスタ号の他、コロンブスの乗船サンタ・マリア号、ジェームズ・クックが南太平洋を探検したときの乗船エンデバー号、日本に初めて来港したオランダ船リーフデ号など、有名な帆船の模型が並んでいます。

屋外展示

屋外には復元船サン・ファン・バウティスタ号が展示されています。2017年2月までは実物大・実際に人を乗せて航海できる船として建造されたものが展示されて乗船もできたのですが、残念ながら東日本大震災で津波により損傷、その後の調査で木製部材の腐食などにより2021年に展示を終了して解体されてしまいました。

現在展示されているのは1/4の縮小模型です。それでも全長14m(先代復元船は全長55m)と模型としては超大型ですが、やはり実物大のものがある時に来たかったですね…。

船首部分。船体全体としては当時のヨーロッパ風のガレオン船なのですが、船首には中国風の龍、やや後方に下がったところには獅子舞の獅子がいます。指さしている人物は支倉常長でしょうか?

船尾の舵の上にも小ぶりな龍が乗っています。これらの龍の装飾は、権威を示す・航海の安全祈願などの意味があったそうです。ちなみに船首のものは口を開いた阿龍、船尾のものは口を閉じた吽龍です。

船体の中程です。舷側に数門の大砲が装備されていたことが判ります。甲板上に2人の人物が見えますが、修道士服を着ている方は通訳として使節に同行したルイス・ソテロ、もう1人も扮装からしてスペイン人のようですが、船の建造に協力した商人セバスチャン・ビスカイノでしょうか?

西ウィング

西ウィングは建物の中に入るわけではなく、復元船が置かれている場所より一団高くなっているものの屋外展示の続きのようになっています。先代(実物大)復元船のパーツを展示してあるようです。

マストの上にあった見張り台。意外に大きいのですが、手すりは低めで振り落とされそうで怖いですね。

肋骨定規。船体の肋骨(骨組み)を作るための実物大の型枠です。ほぼ船体の断面形状そのままなわけで、いまはなき原寸大復元船のサイズを知ることができます。

船首と船尾の龍の装飾です。実際はこんなサイズなんですね。

船尾に取り付けられていた伊達家の家紋の一つ、九曜紋です。これもかなり大きなものです。

まとめとデータ

以上で展示はすべて回りました。帰りはサンファンパーク入口前のバス停から渡波駅行きのバスを利用しました。このバスは非常に便利なのですが土日のみ・1日3本しか運行されていません。利用を考えている方は、しっかり時刻を確認して予定を立てて下さい。

関連サイトhttps://www.santjuan.or.jp/ (公式サイト)
地図https://maps.app.goo.gl/bQ68CnV1ezH5qMGC8
開館時間9:30~16:30(最終入場16:00)
休館日水曜、年末年始
入場料大人500円、高校生以下無料
アクセス・石巻駅または渡波駅よりミヤコーバス鮎川港行き利用、『サンファンパーク』下車徒歩3分(土日のみ)
・石巻駅または渡波駅よりミヤコーバス鮎川湊行き利用、『潮見台公園入口』下車徒歩15分
・渡波駅より徒歩25分
バス時刻表→ 平日 土日祝 (石巻市公式サイト)

※ミヤコーバスはSUICAなど交通系ICカード利用可
※JR石巻線はSUICAなど交通系ICカード利用不可

※情報は2025年8月時点のものです

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