鞠智城 3

時刻は12:30。天候は回復するどころか、ますます激しい雨に。ここから先は上り下りが多くなり舗装されていない道もあるのでちょっと迷ったのですが、覚悟を決めて見学続行です。

稜線上

灰塚展望所

まずは城内で最も眺望がいいといわれている灰塚展望所へ。まぁこの天気では展望は期待できないのですが、その先の土塁などを見学するのにどのみちすぐを近く通るのでちょっと登ってみました。写真の通りちゃんと階段が作られているので、あとで見る土塁線よりずっと安全です。

灰塚展望所のデッキです。天気が良ければ気持ちの良さそうな展望台です。天気が良ければ。
天気が良ければ、長崎県の雲仙普賢岳が見えることもあるそうです。天気が良ければ。

普賢岳(50kmくらい先)どころか、1km先もロクに見えませんね…

土塁線

さらに先に進みます。ここから先は舗装されていません。

このあたりは西側土塁線。自然の尾根の上に土塁が築かれているため、クネクネと複雑な曲線を描き、高さも一定しません。これに沿って地図の一番端にある涼みが御所まで…行けるかな…

ワクド石

土塁線に沿って歩いていたのですが、雨がさらに強く、道の状態も悪くなってきました。危険になってきたので引き返すか…と思ったところで、やたらと存在感のある岩を発見。

あ、これさっき温故創生館のビデオで紹介されていたワクド石だ…

ワクドは地元の言葉でカエルの意味。たしかにカエルの背中のような印象を受ける形状です。地元では信仰の対象になっているらしく、よくみるとカエルの首のあたりに注連縄(の残骸…)のようなものがあります。

はい、ワクド石を観られたので、ここまでの道は無駄では無かった!と中断の決心がつきました。この先の涼みが御所は諦めて、今来た道を引き返すことにします。

長者山展墓広場休憩所

灰塚展望所あたりまで戻れば道が舗装されていて安心です。さすがに疲れたので屋根のあるところで一休みしようかな…と、長者山展望広場休憩所に向かいます。灰塚展望所のふもとから長者山展望広場までは間は写真のようにデッキで結ばれています。

休憩所の建物は復元建築ではありませんが古代建築の意匠を取り入れたもの。

しかし!またしても施錠されていて中に入れませんでした!
今日って休園日だったの?いやでもさっき温故創生館の展示室はちゃんと観られたしなぁ…。

室内を窓から覗いてみましたが、キレイですね…。トイレもここにあるそうです。

貯水池跡~灰塚展望所~土塁線~ワクド石~長者山展望広場で30分ほどでした。ここが今回の見学中で一番道の状態が悪く体力を使いました。とくに土塁線は、雨天時に行くものではありません(苦笑

門跡

では次は、3つある門跡を観て回ります。

長者山展望台から、復元建物のある長者原とは反対側に降りていきます。こちら側もちゃんと階段が作られているので、土塁線に較べるとずっと歩きやすいです。

…って、えらい降りるね??はるか下まで道が続いてるね??
降りたら、あとでその分だけ登らなきゃ元の高さに戻れないんだよね??

池の尾門跡

階段を降りきってからは近い、池の尾門跡。両側を急斜面に挟まれた細い通路に門が設けられていました。鞠智城の中ではもっとも低い標高90mの位置にあります。

発掘された門跡の遺構は埋め戻されていますが、礎石が展示されています。

次に堀切門へ向かう途中、怪しいトンネルを発見。
(堀切門はこの先ではなく、トンネル手前で分岐した道を進みます)
普段だったら『穴があったら入りたい』人間なんですが、なんとなくいろいろな意味でツカレそうな気がしたので(笑)、入口をみただけで引き返しました…。鞠智城とは無関係だと思いますが歴史のあるもののようなので、もし天気が良く明るいときに再訪することがあったら突入してみようかな…。

堀切門跡

堀切門跡。南側中央の入口だった門です。見学通路は奥で左に向かってカーブしていますが、右手の土塁の切れ目のようなところに門があったのだと思います。

堀切門の礎石には、門の軸受けの穴が2つ空いています。穴の間隔は2.8m、これで門全体のサイズも判ります。

穴の大きさは、直径も深さも20cmくらいでしょうか。大人の拳が楽々入るほどの大きさです。

深迫門跡

東屋やテーブル・椅子の置かれた広場を過ぎて、深迫門へ。

写真左フレーム外にも道が続いているので案内板の矢印が紛らわしいのですが、左手の斜面沿いに奥に向かう道を進んで下ったところにあります。

ここはどこにどう門があったのかよく判らないのですが…この写真の奥に向かってブルーシートの掛けられた斜面を登っていく道があって、礎石や案内板がある手前のあたりに門があった…ということでいいんでしょうかね。

深迫門の礎石。前2つの門と同じく、直径20cmほどの軸穴があいています。

馬こかしの石垣

深迫門から温故創世之碑のある駐車場に続く道の、駐車場に向かう最後の上りにさしかかる手前のあたりに、ごく短い範囲ですが石垣がありました。

パンフレットの地図に名前だけ書かれた『馬こかしの石垣』というのがこれでしょうか。他に石垣っぽいものはみなかったし…。普通に道を歩いていると見えない面なので、気付かずに通り過ぎてしまいそうです。案内板なども一切ありません。

というわけで、鞠智城を一周しました!長者山展望所~池ノ尾門~堀切門~深迫門~駐車場で40分くらいでした。道は舗装されており、また坂の傾斜も緩いので(一番低い池ノ尾門のあたりから駐車場まで40mくらい登っているはずですが)、歩くのはそれほど大変ではありませんでした。

結局、鞠智城にいる間には雨は止みませんでした…。桜町バスターミナルに戻った頃になってようやく陽がさしてきたのですが、もう時刻は17時。夕食をとって、鹿児島に移動です。

データ

Webサイト鞠智城公式サイト
地図GoogleMap
アクセス一寸榎バス停より徒歩20分
※SUICA・PASMOなど交通系ICカード利用可能
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続100名城スタンプ温故創生館受付
開館時間温故創生館:09:30~17:15
屋外は自由見学
休館日温故創生館:月曜、年末年始
屋外は年中無休
入場料無料

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