首里城 その3

2019年2月から新たに公開されたエリアを見学します。

御内原

正殿の裏手(東側)は御内原おうちばらとよばれ、王族や女官の生活・儀礼のための領域です。王族以外の男子は禁制ということで、江戸城の大奥と近い存在でしょうか?2019年2月から新たに一般公開されました。
VR写真初期方向正面が正殿(裏側)、右手には女官居室、左手には寄満ゆいんち、背後には世誇殿よほこりでんがあります。

これらの建物で囲まれた写真の広場は後之御庭くしぬうなーと呼ばれています。字の通り正殿の『後の庭』で、かつてはサンゴ砂利が敷かれていました。

寄満ゆいんち。王族の食事を調理した建物です。現在は外観のみ復元の近代建築になっており、イベント等に使用する部屋があるそうです。

女官居室。その名の通り、王宮(御内原)に務める女官の生活の場であったと考えられています。

単独写真に失敗したのですが、世誇殿よほこりでんは普段は未婚の王女の居室として使われ、国王が死去した場合は次期国王の即位の礼が行われた建物です。現在は琉球舞踊などを実演する小ホールのように使われているようでした。

東のアザナ

続いて、新規公開のあがりのアザナ方面へ向かいます。

白銀門。寝廟殿を詣でる国王と女官だけが通れる門です。この門だけは他と異なり上部が櫓になっておらず総石造りです。

寝廟殿しんびょうでん跡。東のアザナへ登る途中にあり、見向きもせず通り過ぎて行ってしまう人も少なくないようでしたが、この一段高くなった部分は国王が亡くなったときに一時的に霊柩を安置するという神聖・重要な施設があった場所です。本来はこの上に建物があったはずですが資料がないため平面復元のみとのこと。

よく観ると、敷き詰められた砂利はサンゴのカケラです。

東のアザナの上まで登ってきました。東のアザナは首里城東側に築かれた物見台です。標高140m、守礼門のあたりからだと30~40mくらい登っていると思います。
現在は展望台として公開されています。通路は狭いですが、丈夫そうで高い壁があるので安心感があります。

東のアザナから西側(首里城中心方向)を観ています。正面には正殿や寄満など後之御庭を囲む建物がよく見えます。右手奥には守礼門も見えています。

東側。ゆいレールの駅はちょっと見えないかな…。

寄内

淑順門しゅくじゅんもん。御内原の表門で、2019年2月から新規公開されました。ただし見学者はここから出入りすることはできません。

いったん出口とは反対側に進むと、寄内よせうちと呼ばれる領域へ。城の北東部、御内原の北側です。このあたりに2つの御獄うたき(祭祀を行う施設)があった可能性があるものの場所が不明だそうです。

メインの見学ルートから外れているため、内庭の混雑ぶりとは対照的にほとんど人影がありません。

寄内の一角にあるガマ遺構。人工的に作られた洞窟状の遺構で、古絵図には描かれているのですが正史には記録がないのだそうです。王宮の女官達が息抜きにつかったのではないかと言われています。

右掖門うえきもん。かつてはこの門を経由して淑順門~御内原へと出入りしていました。現在は有料エリア(内庭)からの出口になっています。

久慶門きゅうけいもん。歓会門が正門であるのに対して、こちらは主に女性が利用していたといわれています。右掖門との間はまっすぐな石畳の通路で結ばれています。

この門を出ると外郭の外です(写真は外から)。門を出ずに進むとすぐに瑞泉門の下を経由して歓会門に至ります。

以上で10年ぶりの首里城見学は無事終了です。

データ

Webサイト首里城公園(国営沖縄記念公園サイト内)
地図首里城
アクセスゆいれーる首里駅より徒歩15分
開園時間 4~ 6月 :08:00~19:30
7~ 9月 :08:00~20:30
10~11月:08:00~19:30
12~ 3月 :08:00~18:30
休園日7月第1水曜およびその翌日
入場料820円(ゆいれーるの当日1日乗車券の提示で660円に割引)
100名城スタンプ首里杜館、系図座・用物座、北殿

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