本丸
本丸に入りました。中央には本丸御殿があったはずですが、現在は何も残っていません。本丸を囲んで現存建築である太鼓櫓と霞門、復元建築である東櫓と西櫓が存在しています。
櫓門(太鼓櫓)
櫓門を本丸側から。1階部分は柱だけなんですね。
ここから本丸を時計回りに回っていきます。
西櫓
オリジナルの建築は東櫓と同じ時期です。こちらは本丸御殿の火災の時には破損を免れたのですが、昭和24年(1949年)のキティ台風で被害を受け、あとで復元するという前提のもとに解体されました。その後長く復元出来ないままだったのですが、平成4年(1992年)に補完されていた部材を用いて復元されました。
見学は外観のみで、中に入ることはできません。
土屋神社
西櫓の近くにある神社です。小さな社ひとつが木の陰にひっそりと建っているだけなのでぼんやり歩いているだけだと気付かないかもしれません。
土浦城城主だった土屋氏の氏神を祀っているそうです。
霞門
櫓門が本丸の正門だとすれば、霞門は本丸の裏門にあたります。
櫓門に較べると小振りで地味ですが、実はこちらも貴重な現存建築です。
本丸の外側から観るとこんな感じ。
霞門を出るとすぐに堀にかかる霞橋を渡り、公園外に出ます。
東櫓
もとは、元和6~7年(1620~1621年)頃に西櫓とともに建築されたとされています。明治時代まで本丸の建物は残っていたのですが、明治17年(1884年)に火災で本丸御殿が焼失。損傷した東櫓と鐘楼は取り壊されてしまいました。
平成10年(1998年)に市立博物館の付属施設として復元されましたが、平成23年(2011年)の東日本大震災により破損。翌平成24年(2012年)6月に修復が完了し現在に至っています。
中を見学するのは有料(105円)ですが、同じチケットで市立博物館も見学できます。
東櫓周辺
東櫓近くの土塁の上には土塀が復元されています。
○△□の狭間(弓や鉄砲などを撃つための穴)が見られます。
穴が塞がれているのですが、石落としのような構造に見えます。
外側に回ってみると、やはり石落としでした。
東櫓内部
それでは東櫓の中に入ってみます。
1階
東櫓は外観だけではなく、内部も江戸時代の建築技術を活かして作られています。1階にはその建築技術に関する展示があります。
柱や梁を組み合わせる木組みの模型。接合部は複雑な形状になっています。
まず2本を交差させて…
もう一本を溝にはめ込む。これでできあがり。
完成品を見るだけだとどこがどのように噛み合っているのかまったく判りません。
東櫓の梁に使われていた丸太(松)と、土塀のサンプル。
本丸土塁の断面。
写真だとちょっと判りにくいのですが、土の色が変わる境界線が何カ所か見えます。土塁が数度に分けて拡張されたことを表しています。
江戸時代後期の物とされる鯱瓦。西櫓の屋根にあったもの。
櫓門内にあった太鼓。かつてはこれで時刻を知らせていました。
この太鼓は明和7年(1770年)に作られた物で、胴には土浦藩主である土屋家の家紋『三石紋』が描かれています。平成22年(2010年)に皮の張り直しなどの修理作業が行われ、その際に胴内から発見された墨書きによって、この太鼓が江戸時代に8回修理されたことなどが判ったそうです。
2階
2階には写真展示があります。
西側(本丸側)の窓から外を見ると…かつては本丸御殿が見下ろせたはずですが、いまは木が邪魔で見通しがよくないですね…。
北側(車道側)。すぐ近くに見えるタクシー会社のあたりには藩の倉庫があり、そのむこうは武家屋敷だったそうです。
東側。江戸時代には霞ヶ浦が見えたそうです。正面に裁判所の建物が見えていますが、かつてその場所には藩主の家族の住まいである外丸御殿がありました。
南側。本丸を囲む土塁と、その上の土塀が見えます。
データとまとめ
Webサイト | 土浦市公式サイトの『名所・史跡の紹介』ページ |
GoogleMap | 土浦城址 |
アクセス | JR常磐線【土浦】駅よりバス利用、または徒歩15分 |
駐車場 | なし |
開館時間 | 公園は見学随時 東櫓は09:00~16:30 |
休館日 | 公園は無休 東櫓は月曜、祝日の翌日、年末年始 |
入場料 | 公園は入場無料 東櫓は105円(市立博物館と共通券) |
続100名城スタンプ | 東櫓内(開館時間中のみ) |
見学時間 | 30分~ |
城内トイレ | 国道側入口そば |
飲料自販機 | 公園内にはないが、国道沿いなど周辺には複数存在 |
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