忍城

忍城について

忍城址内にある案内図より
(通常の地図と逆に図の下方が北)

続100名城登城12城目(通算110城目)は、映画にもなった『のぼうの城』の舞台、忍城です。

構造

忍城は埼玉県北部の行田市内にある戦国時代の城です。広大な湿地帯に点在する島を曲輪とした独特の構造を持っていました。現在博物館のある本丸からおよそ南に向かって二の丸・三の丸が一列に並んでいたようで、だいたい連郭式の縄張りといってよさそうです。沼地がそのまま堀として機能し、攻め難い城となっていました。戦国時代には度々周辺の諸勢力から攻撃を受けますが持ちこたえ、関東七名城の1つに数えられています。

歴史

忍城は、文明10年(1478年)頃に地元豪族の成田氏によって築城されました。豊臣秀吉の小田原攻略に際し、北条側についていた忍城は石田三成の軍勢によって水攻めされますが落城せず、結局先に小田原城が落城したために忍城も開場しました。このことから忍城は『浮城』『亀城』などとも呼ばれています。この忍城の戦いを題材にしたのが和田竜の小説『のぼうの城』です。野村萬斎主演で映画化もされました。

江戸時代には徳川の親藩・譜代大名が入れ替わりで入城。明治時代の廃藩置県の時に廃城となりました。

見学開始

ガイドブックなどには忍城の最寄り駅は秩父鉄道の行田市駅だと紹介されていることが多いですが、東京都内からアクセスする場合はJR高崎線(湘南新宿ライン・上野東京ライン)の吹上駅からバスを利用するのが早いと思います。僕が行った時は吹上駅~忍城のバスは所要時間10分・運賃242円でした。

バスを降りてすぐに目に入ってくるのがこの鐘楼です。
ここから堀に沿って写真左手に進んでいくと…

御三階櫓東門が見えてきます。

『のぼうの城』の時代には忍城に御三階櫓は存在せず、建てられたのは江戸時代に入ってから。明治時代に廃城になった後に取り壊されています。
この御三階櫓は近代建築で、中身は博物館の展示室です。外観も場所も本来のものとは異なっているということなので、『復元』とはちょっといえないでしょう。

高麗形式の東門木橋
この日行われた忍城時代祭では甲斐姫演武火縄銃演武の舞台になります。 詳細は別記事で。

木橋中央から東門・三重櫓・堀を。この木橋周辺がもっとも『城らしい』眺めです。といっても戦国時代の姿とも江戸時代の姿とも異なるわけではありますが。

博物館開館時刻前なので東門は閉ざされていますが、脇のくぐり戸から中に入れました。

忍城本丸の遺構

東門を入ってすぐ。
初期位置左手方向では時代祭の準備が行われていてにぎやかです。本来はこの時刻にはほとんど人がいないものと思いますが…。

博物館の開館前に周りを一周して本丸の遺構や保存建築を見ていきます。

御三階櫓や博物館の裏手、広場になっていますが何かの建物跡というわけでもないようです。もともと成田氏の時代には本丸に建物がなく、空き地になっていたそうです。博物館内のジオラマでもそのように再現されています。本丸が空き地だったというのは変わっていますね…?

伝・進修館門 表側
伝・進修館門 内側

数少ない江戸時代の建築物の1つ高麗門です。とはいってももともと忍城にあったわけではなく、市内の旧芳川家表門を移築したもので、かつては藩校進修館の表門であったと伝えられているそうです。

伝・進修館門から本丸の外に出て西側に進むと、道の片側がこのような斜面になっています。これは本丸土塁です。

こちらは東側。土塀は近代になって作られたものでしょう。土塁も西側と違って現存ではないのかも。

高麗門 表側
高麗門 内側

駐車場横にもう1つ高麗門があります。
こちらも江戸時代からの現存建築らしいのですが元あった場所などは不明。

博物館敷地(本丸)をぐるっと一周して鐘楼に来ました。
この写真の右手にすすむとすぐ最初に入った東門です。

鐘楼前。
忍城の時鐘はもとは二の丸にあり、鐘は松平氏が桑名から移封された際に移されたものでした。
現在の鐘楼は再建で、鐘もレプリカです。オリジナルは博物館内に展示されています。
写真では扉のような物が見えますが中には入れません。

下から見上げると鐘本体がなかなか見えません。この写真でも下の方が隠れてしまいました…。

行田市郷土博物館

博物館の開館時刻となったので、中を見学しました。
入口で忘れずに続100名城スタンプをゲット。

展示は、行田の歴史に関するもの(まぁ当然)と、行田の伝統産業である足袋に関するものがあります。規模はそれほど大きくないのですが、全体的に綺麗で解説もわかりやすく、楽しく見学できます。

歴史関係では、やはり城好きとしては忍城のジオラマに注目。足袋関係では職人の使う道具などが他では見られない展示で興味深いです。

御三階櫓には博物館の連絡通路から入れます。

御三階櫓内にもいろいろな展示があります。
展示は撮影禁止だったので、 写真は最上階からの眺めだけ。格子があるので見難いのですが、中央にうっすら見えているのは富士山、かな…?

城址外

東門前から市役所の方へ抜ける道は、なぜかこのように雰囲気満点。
東小路と名前がついています。

市役所側の出口は冠木門になっています。

少し歩いて旧大手跡までいってみました。いまは普通の住宅地で当時の形状などはまったく判らないのですが、このように碑がたてられていました。他にも市内各所の忍城ゆかりの場所にこのような碑があるそうです。

武者行列が迫ってきたので、会場である産業文化会館前に移動します。

データとまとめ

サイト行田市による忍城の紹介
行田市郷土博物館(行田市教育委員会)
Google Map忍城
アクセス吹上駅よりバス『総合教育センター』行き利用、『忍城』下車徒歩すぐ
駐車場あり
開館時間09:00~16:30(16:00最終入場)
休館日月曜(祝日の場合は開館)、祝日の翌日(土日は開館)、毎週第4金曜、年末年始
入場料200円
続100名城スタンプ博物館入口(博物館開館中しか押せません)
見学所要時間1時間~
城内トイレ東門付近、博物館内
飲料自販機博物館内
備考

本丸はコンパクトですぐに一周できます。別記事の水城公園や古墳公園と併せて1日かけて回るのがよいと思います。

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